カーボンナノチューブ市場、2025年まで15%のCAGRで成長見込み OLEDディスプレイでの需要が増加予測

カーボンナノチューブ(CNT)市場は、エネルギー、電気、エレクトロニクス、輸送、建設などの産業で有望になる見通しです。世界のカーボンナノチューブ市場は、2020年から2025年まで15%のCAGRで成長すると予想されています。リチウムイオン電池の需要の増加、家電製品の成長、優れた化学的特性や機械的特性をもたらす材料の需要の増加が市場の成長を促進する見込みです。

業界のダイナミクスに直接影響を与える新たなトレンドには、OLEDベースのディスプレイにおけるカーボンナノチューブ需要の増加が挙げられます。なかでも、ガスセンサーやドラッグデリバリーなどのアプリケーションでの採用が増加しています。

カーボンナノチューブは、構造別に単層カーボンナノチューブ(SWCNT)と多層カーボンナノチューブ(MWCNT)に分類され、MWCNTが最大のセグメントを占めています。リチウムイオン電池において高い熱伝導性と導電性をもつ物質への需要が高まっており、MWCNTは過去最高のペースで成長する見込みです。

カーボンナノチューブは、最終用途別にエネルギー、電気、エレクトロニクス、輸送、建設に分類されます。エネルギー産業向けカーボンナノチューブは、金額および数量ベースで今後も市場を支配する見通しです。また、軽量バッテリー、スーパーキャパシタ、太陽光発電、燃料電池においてカーボンナノチューブの採用が増加しているため、エネルギーセグメントは過去最高の成長を記録する見込みです。

アジア太平洋地域は、半導体および電子産業の成長と大規模なリチウムイオン電池の生産により、予測期間中に最も成長すると予測されています。今後もアジア太平洋地域はカーボンナノチューブ最大の市場であり続ける見込みです。

カーボンナノチューブ市場の主要企業には、Nanocyl、Nano-C/ Cnano Technology、昭和電工、SUSN Sinotech、Arkema、東レインターナショナル、LG Chem、OCSiAlなどが挙げられます。

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