血漿分画製剤の市場規模、2027年に282億米ドル到達予想

血漿分画製剤の市場規模は、2021年から2027年の間にCAGR9.6%で上昇し、2027年には282億米ドルに達すると予想されています。血漿とは、血液からプラズマフェレーシスによって得られる血液成分のことで、さまざまな治療や医療製品に利用されています。人間の血漿は、さまざまなタンパク質の供給源と考えられています。しかし、これらのタンパク質のうち、治療用血漿製品の製造に有益なものは限られています。

タンパク質を血漿から分離、精製、抽出するプロセスは、血漿分画製剤として知られています。血漿から得られるタンパク質は、大きく分けて、免疫グロブリン、凝固因子、アルブミンに分類されます。免疫グロブリンは、自己免疫疾患の治療に役立ち、免疫反応を高めます。凝固因子は、血友病などの血液疾患の治療に役立ちます。そして、アルブミンは、アルブミン濃度の低下や体液喪失時に役立ちます。

血漿分画製剤プロセスは、製品の溶解度や、イオン強度、pHレベル、温度などの物理的・化学的条件など、さまざまな側面に大きく依存しています。抽出された血漿は、新鮮凍結血漿(FFP)とも呼ばれ、ドナーから抽出された血漿の均質性を確保し、ウイルス感染のリスクを低減するために、クロマトグラフィー遠心分離、洗剤・溶剤処理、ナノフィルトレーション、熱処理、無菌ろ過、限外ろ過などのウイルス不活性化のための物理的・機械的処理が施されます。

COVID-19パンデミックにより、あらゆる産業のセグメントで混乱、制限、課題、変化が生じています。同様に、血漿分画製剤市場もパンデミックによる深刻な影響を受けています。例えば、COVID-19状況下で、献血や血漿採取の数が減少し、原材料の供給に支障をきたし、世界中の血漿分画製剤市場の成長を制限する結果となりました。

製品別展望

市場は、製品別に、免疫グロブリン、アルブミン、凝固第VIII因子、凝固第IX因子に分類されています。血漿分画製剤市場では、免疫グロブリンが最大シェアを占めており、高い成長率を示すと考えられます。この分野の成長は、原発性および二次性の免疫不全、自己免疫疾患、炎症性疾患などに免疫グロブリンが多様に使用されていることによるものです。

セクター別展望

市場は、セクター別に、民間セクターと公共セクターに分類されます。2020年は、民間部門が最大シェアを獲得しました。これは、大量の血漿を収集し、アルブミンや免疫グロブリンなどの誘導体に分画する民間企業が多数存在するためです。この事が、血漿分画製剤市場全体の成長を後押しすると考えられます。

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