5つの統計で見るインダストリー4.0の台頭

インダストリー4.0の誕生から10年以上が経過し、その本格的な普及が進んでいます。その後の一般の検索数は140倍に達し、2021年だけで5万本の研究論文が発表されました。また、スタートアップ企業は毎年合計30億米ドルの資金を得るようになり(2021年第3四半期~2022年第3四半期)、M&Aの動きも倍増しています。

ここに、2011年以降、「インダストリー4.0」活動がどのように変化したかを示す5つの主要統計データを紹介します。

1、検索に示されたインダストリー4.0への関心は、140倍に増加

2022年のGoogleにおけるIndustry 4.0の検索回数は、初めて紹介・公開された年(2011年)と比較して140倍に達しました。また、Industrial IoTやSmart Manufacturingなどの関連用語の検索数も、それぞれ32倍、3.5倍と、急激に伸びています。

インダストリー4.0は、製造業における技術の進歩を示す包括的な用語です。インダストリー4.0を支える4つの技術が同時期に人気が高まっていることがわかります。

2011年以降、「Cobot」は10倍、「Additive Manufacturing」は約9倍、「Digital Twin」は4倍、「Machine Vision」は1.3倍に検索件数が増加しています。

2、20万件以上の学術論文を発表

2020年から2021年に発表されたインダストリー4.0に関する学術論文は5万件を上回り、過去10年を合計すると20万件以上に達します。これは、インダストリー4.0の研究が盛んに行われていることを示しています。

3、2011年以降、スタートアップ企業の資金調達は2513件に到達

インダストリー4.0で活躍するスタートアップ企業の年間資金調達額は、2011年から2021年にかけて319%増加しています。2021年には、インダストリー4.0に関連する技術を開発する企業に、合計22億米ドルの資金が提供されました。11年の間に合計2513件のディールが発表されています。しかし、2020年にCOVID-19が蔓延すると資金調達ラウンドの総数は減少し、ここ最近は、インフレや戦争により市場の成長はさらに減速し、打撃を受けています。

注目すべき投資ラウンドは、2018年のBrightMachinesの1億7900万米ドルのシリーズA、2021年のTulip Interfacesの1億米ドルのシリーズC、2020年のXometryの7500万米ドルのシリーズEが挙げられます。

4、M&A活動は、2011年から2021年にかけて倍増

インダストリー4.0関連の年間買収件数は、2021年に132件でピークに達しました。これは過去10年間で116%の増加に値します。しかし、2020年の最初の3四半期は、それ以外の年と比較して、買収件数が半分以下になりました。COVID-19は、M&A活動にも明らかな影響を与えています。

注目すべき買収は、2021年にEmersonが110億米ドルで買収したAspenTech、2021年にZebra Technologiesが2億9000万米ドルで買収したFetch Robotics、2018年にDassault Systèmesが4億2500万米ドルで買収したIQMSなどがあります。

5、多くの組織が採用するインダストリー4.0対策

2015年に世界経済フォーラムが250のマーケットリーダーを対象に行った調査では、参加者の88%が産業用IoTの基礎となるビジネスモデルや各業界への長期的な影響について理解していないことが判明しています。

IoT Analyticsによる2019年の導入調査では、インダストリー4.0のユースケースの25%がすでにグローバルレベルで企業に展開されており、状況が変化していることが示されました。

今回、最新の2022年のインダストリー4.0導入調査では、企業がさらに進化していることが明らかになっており、インダストリー4.0戦略を実行していない企業は、少数派と言えます。調査回答者の72%は、インダストリー4.0およびスマートファクトリーの導入を進めており、多くの取り組みが進行中で、いくつかは既に完了していると報告されています。

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