セルラーIoTチップセットの市場規模、2021年から2026年にCAGR28%で成長予測

セルラーIoTチップセットの市場規模は、2021年から2026年にかけてCAGR28%で成長すると予測されます。しかし、2021年は、COVID-19パンデミックにより供給が途絶えたことで、多大な影響があると考えられます。

セルラーIoTチップセットとは

2G、3G、4G、5G、LTE-M、NB-IoTなど、セルラー接続を利用するすべての接続型IoTデバイスは、セルラーIoTチップセットを使用しています。チップセットは、デバイスのプリント回路基板に直接組み込むことも、デバイス内に配置されるIoTモジュールに組み込むこともできます。ここでは、IoTモジュール内に組み込まれた、セルラーIoTチップセットに焦点を当てています。

世界的なチップ不足

2020年、COVID-19は、チップの需要と供給の両方に影響を与えました。生産が停止したこともあり、サプライチェーンや原材料へのアクセスが滞り、供給が減少しました。2020年前半には、不確実性が高まり、予算が凍結されたため、チップの需要が減少しました。2020年後半になると、需要は戻ってきたものの、供給が途絶えることが多くなりました。その結果、供給不足が発生しました。初めに、その影響は自動車業界に及び、その後、スマートフォン、テレビ、ゲーム、IoTなどの他のセグメントにも拡大しました。2020年の需要低下と年末の供給不足が相まって、順調に進んでいれば出荷されていた3,300万個のセルラーIoTチップセットにギャップが生じました。

2021年もチップ不足は続いています。分析対象となった3,000社以上の企業のうち、11%が2021年の第2四半期のカンファレンスコールで、チップ不足について言及しています。生産能力が限られていることに加え、一部の地域でCOVID-19規制が続いているため、船舶および輸送コンテナ不足や港の混雑など、サプライチェーンに深刻な問題が生じており、セルラーIoTチップセットがさらに2,000万個不足することが予測されます。2021年の市場規模は前年比9%増と推定されていますが、供給に制限がなければさらに大きく成長していたと思われます。市場をリードするTSMCとQualcommによると、状況が改善されるのは2022年初頭と考えられています。

セルラーIoTチップセット市場 : Qualcommがリード

現在、セルラーIoTチップセット市場を支配しているのは、Qualcomm、MediaTek、HiSilicon、Intel、UNISOCの5つのプレーヤーです。この5社で、2020年の世界のセルラーIoTチップセット出荷数の93%を占めています。Qualcommは、2020年のシェアが43%となり、市場をリードしています。近年の、同社の成功は、グローバルな規模と存在感、モジュールプレーヤーとの深いパートナーシップ、そして多数のキャリア認証に起因しています。また、Qualcommはイノベーションサイクルを短くしており、新しいIoTチップを定期的に発表しているほか、既存のチップのアップグレードを1年未満のサイクルで発表することも少なくありません。これまでは、4G LTE IoTチップセットがQualcommの出荷数量を牽引してきましたが、今後は、5Gの市場への投入時期に左右されることになります。IoTアナリティクスの見解では、5Gの需要は現在活発化しており、今後数年間はセルラーIoTチップセット市場の重要な牽引役になると考えられています。一方、MediaTekとHiSiliconの出荷数量は、主にNB-IoTチップセットによって牽引されています。

結論と展望

2025年には300億台のIoTデバイスが市場に出回り、IoT用半導体へのチップの需要が高まることが予測されます。セルラーIoTは、その300億台のデバイスの中の一部に限られますが、NB-IoTや5Gへと技術がシフトし、交通機関など特定の産業が採用を競っていることからも、ダイナミックな市場展開が予測されます。市場が大きく成長している現在、供給上の課題や混乱が落ち着き、ベンダーが構造的変化に対応する数年後には、2020年と2021年の低迷は、わずかな落ち込みであったと判断されることでしょう。

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