セルラーIoTモジュールの市場規模:2020年は前年比8%減となるも、中国市場とLTE-Cat1に牽引され回復へ

株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「世界のセルラーIoTモジュール出荷台数および収益額の追跡調査(2021年)」 (IoT Analytics GmbH) の販売を6月17日より開始いたしました。

2020年、COVID-19によりセルラーIoTモジュール市場は多大な影響を受けました。しかし、この市場規模は、2025年には45億のセルラーIoT接続が見込まれており、長期的な循環上昇トレンドにあります。2G、3G、4G、5Gなど、セルラー接続を利用する全てのコネクテッドデバイスは、デバイスや機器のプリント基板に埋め込まれたセルラーIoTモジュール、あるいは、セルラーチップセットのいずれかを使用しています。

2020年のセルラーIoTモジュール市場は、COVID-19の影響で強い打撃を受け、その売上高は前年比8%減の31億米ドルとなりました。一方、中国の状況は異なっていました。2020年、世界的に出荷量が減少しているのに対し、中国では前年比14%増となりました。これは、COVID-19の影響により、世界的にはIoTの取り組みが中止、キャンセルされたのに対し、中国では短期間のロックダウンの後、IoT関連の計画が続行されたことに起因しています。

セルラーIoTモジュール市場におけるLTE-Cat1とLTE-Cat1 bis

LTE-Cat1の普及率は、中国以外の市場で23%を占めているのに対し、中国では12%のシェアに過ぎません。セルラー・ライセンス型低電力広域通信(LPWA)の出荷(NB-IoTとLTE-M(Long-Evolution-machine type communication))に関して、中国ではNB-IoTに注力しているおり、2020年に出荷されるNB-IoTの90%は中国発です。

LTE-Cat1の台頭は、数年前に北米で始まりました。ネットワーク事業者が2Gネットワークの利用をやめたことで、2Gおよび3GのIoTアプリケーションの代替として、LTE-Cat1は利用され始めました。2G・3GからLTE-Cat 1への大規模な移行は2018年に始まりました。例えば、Telit、Thales、Sierra Wirelessの3社は、過去3年間に中国以外の地域で合計4000万個以上のLTE-Cat 1モジュールを出荷しました。中国国外における、2G・3Gモジュールの出荷数の減少は、LTE-Cat 1モジュールの出荷数の増加につながっています。

近年、中国ではNB-IoTが2G IoTアプリケーションの新たな選択肢となっています。そのため、NB-IoTは、中国で選択されるLPWA技術となりました。しかし、NB-IoTの技術的な限界から、新しいセグメントである低コストのLTE-Cat 1 bisモジュールの需要が高まっています。3GPP(3rd Generation Partnership Project)のRelease 13に基づくCat 1 bisは、シングルアンテナが特徴で、低消費電力アプリケーションに最適化されています。北米で採用されているLTE-Cat1は、3GPPのRelease8で定義されており、2つの受信(Rx)アンテナでサポートされているのとは対照的です。3GPPのリリース8のLTE-Cat 1は、IntelとQualcommのチップセットをベースにしているのに対し、3GPPのリリース13のLTE-Cat 1 bisは、UNISOC 8910DMで駆動されています。リリース8のLTE-Cat 1モジュールは、リリース13のLTE-Cat 1 bisモジュールよりも、平均して10米ドル高い価格となっています。

世界的なチップ不足が2021年の出荷量と利益率に影響

IoTアナリティクスのデータによると、世界的なチップ不足は2020年第4四半期にすでに一部のセルラーモジュール企業に影響を与えていました。ほとんどのセルラーモジュール企業は、大量の受注残を抱えており、チップ不足によりチップ価格の変動が大きくなっています。したがって、2021年上半期には、セルラーIoTモジュール市場全体の出荷量が世界的に減少し、モジュールメーカーの利益率も低下すると予想されます。セルラーIoTモジュールの欧州と北米市場における回復は、チップ不足が妨げになっています。

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