サリチル酸市場、2021年から2026年にかけて緩やかな成長見込み
市場の概要
サリチル酸市場は、2020年に4億2,700万米ドルの規模に達しました。サリチル酸は、化学式C7H6O3で表される有機白色の結晶性固体で、ヤナギやサリックスなどの植物から天然に抽出されるほか、フェノラートナトリウムと二酸化炭素から合成されます。サリチル酸は、殺菌、抗炎症、角質溶解、コメド溶解、抗菌などの作用があるため、化粧品、ヘルスケア、製薬などの分野で使用されています。また、サリチル酸は、保湿や皮膚の層をくっつける物質の溶解に役立つため、化粧品の製造にも使用されています。
市場の動向及び成長要因
製薬業界では、サリチル酸は、アセチルサリチル酸(アスピリン)、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミン、サリチル酸メチル、サリチル酸ナトリウムなど、多くの医薬品の製造に広く使用されています。ヒトの感染症の増加に伴うこれらの医薬品の需要の伸びが、サリチル酸の魅力的な市場を生み出しています。さらに、肌に栄養を与え、脂性肌のニキビを治療し、古い角質を除去し、肌の変色を抑える効果があるため、ヘアケア製品やスキンケア製品の製造にも使用されています。消費者の意識の高まりにより、これらの製品の需要が増加していることが、世界的に市場の成長を促進しています。さらに、サリチル酸塩素やサリチル酸メチルなどのサリチル酸誘導体が、筋肉や関節の痛みを和らげるリニメントとして使用される機会が増えていることも、この市場の需要を押し上げる要因となっています。今後、2021年から2026年にかけて、世界のサリチル酸市場は緩やかな成長を示すと予想されています。
主要な市場区分
用途別では、医薬品が最も大きく、次いでパーソナルケア、食品・防腐剤となっています。
地域別では、北米、アジア太平洋、欧州、中東・アフリカ、ラテンアメリカに分類されています。
インドと中国がそれぞれサリチル酸の最大の輸入国と輸出国となっています。
市場の競合状況
サリチル酸市場における主要な企業としては、Alfa Aesar社、Alta Laboratories Ltd.社、JM Loveridge Limited社、Novacap社、Sigma Aldrich社、Siddharth Carbochem Products Ltd.社などが挙げられます。