リチウムイオン電池市場、2021年から2026年にかけて力強い成長見込み

市場の概要

リチウムイオン電池市場は、2020年に341億米ドルの規模に達しました。リチウムイオン電池(LIB)は、インターカレートしたリチウム化合物を電極に用いた二次電池です。負極、正極、電解液で構成されており、充電前に完全に放電する必要がない電気化学的な蓄電デバイスです。ニッケル・カドミウム電池などと比較して、エネルギー密度が高く、メンテナンスが少なく、自己放電率が低いのが特徴です。また、エネルギー対重量比が高く、開放電圧が高いのも特徴です。さらに、LIBは、寿命を延ばすための定期的なサイクルを必要としません。その結果、LIBは、家電製品や自動車など、様々な分野で幅広く使用されています。

市場の動向及び成長要因

世界的な家庭用電化製品の大幅な増加は、市場の成長を促す主な要因となっています。これに伴い、スマートフォン、ノートパソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、懐中電灯などの携帯型機器の普及と、高速インターネット接続が市場の成長に大きく貢献しています。このような電子機器の普及に伴い、高品質な二次電池の需要が高まっており、これが市場成長の原動力になると考えられます。また、二次電池は電気自動車(EV)に不可欠な部品でもあります。また、持続可能な開発への関心の高まりや、従来の自動車の使用による悪影響に対する意識の高まりが、市場の成長を後押ししています。また、多くの国の政府が電気自動車の販売促進のために補助金を支給したり、有利な施策を実施しており、このことが市場に好影響を与えていると考えられます。さらに、リチウムイオン電池は、太陽光発電などのグリッドエネルギー貯蔵の重要な要素として広く採用されています。また、電気を止めずに供給したいという需要の高まりも、市場の成長を促す大きな要因となっています。今後5年間、世界のリチウムイオン電池市場は力強い成長を遂げると予想されています。

主要な市場区分

製品タイプ別の市場構成

・コバルト酸リチウム

・リン酸鉄リチウム

・リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト

・リチウム・マンガン・オキサイド

・その他(リチウムイオンコバルトアルミニウム酸化物、リチウムイオンタイタネート酸化物)

現在、コバルト酸リチウムは、比エネルギーが高く、様々な電子機器や消費財に適していることから、最大の製品タイプとなっています。

電源容量別の市場構成

・0~3000mAh

・3000mAh~10000mAh

・10000mAh~60000mAh

・60000mAh以上

現在、最も多いのは0~3000mAhの容量の電池です。デジタルカメラやビデオカメラなどの家電製品、携帯電話、携帯ゲーム機などに搭載されています。

用途別の市場構成

・家庭用電化製品

・電気自動車

・エネルギー貯蔵

・その他

現在、リチウムイオン電池の多くは家電製品に使用されています。これは、より高いエネルギー密度を持つ、安全で安価な電池が求められているためです。

地域別の市場区分

・アジア太平洋地域

・北アメリカ

・ヨーロッパ

・中近東・アフリカ

・ラテンアメリカ

地域別では、アジア太平洋地域がリチウムイオン電池の最大の市場であり、市場全体の大部分を占めています。これは、この地域に多数の大手電池メーカー(OEM)が存在することに起因しています。

市場の競合状況

世界のリチウムイオン電池市場における主要な企業としては、A123 Systems LLC、AESC SDI CO.,LTD.、LG Chem Ltd.、Panasonic Corporation、SAMSUNG SDI CO.,LTD.、Toshiba Corporation、Amperex Technology Limited、株式会社東芝、Amperex Technology Limited、BAK Group、Blue Energy Limited、BYD Company Ltd.、CBAK Energy Technology, Inc.、Tianjin Lishen Battery Joint-Stock CO.,LTD.、Valence Technology, Inc.、SK innovation Co., Ltd.、株式会社日立製作所などがあります。

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