粉ミルク市場、2026年に1,410万トン規模到達見込み

市場の概要

粉ミルク市場は、2020年に1,120万トンの規模に達しました。将来的には、2026年には1,410万トンに達すると予想されています。

粉ミルクは、保存性を高めるために流動性のある牛乳を脱水して製造されます。チアミン、たんぱく質、ビタミンC、B12などから構成されており、流動性のある牛乳と同様の栄養成分を含んでいます。粉乳は、組み換えや再構成以外にも、その機能的特性を活かして、菓子、ベーカリー、肉製品などの付加価値の高い食品にも利用されています。近年、多くの国では増加する牛乳需要を満たすことができず、一般的に粉ミルクの形で調達される輸入牛乳に頼っているため、粉ミルクの需要が増加しています。

市場の推進要因及び制約要因

粉ミルクは、水分が少ないため、液体ミルクよりも保存期間が長いです。そのため、常温での保存が容易であり、コールドチェーンインフラのない遠隔地への輸送や、生乳の生産量が少ない時に使用することができます。

粉ミルクの用途は食品・飲料業界で多様化しており、特に中国、インド、ブラジルなどの新興地域では、この業界の持続的な成長が粉ミルクの需要を積極的に喚起しています。

粉ミルクは、通常の牛乳と同じ栄養価を持つため、栄養バーや飲料などのスポーツ栄養製品に使用されます。フィットネス意識の高まりを背景に、これらの製品の需要が増加していることが、粉ミルク市場の活性化につながっています。

各国政府は、粉ミルクに対する課税、関税、補助金、輸出入などについて厳しい政策を打ち出しており、これが粉ミルクメーカーの収益に大きな影響を与え、市場の成長を妨げています。

主要な市場区分

世界の粉ミルク市場は、製品タイプ、機能、用途、地域に基づいて分類されています。

製品タイプ別の市場構成

・全脂粉乳

・脱脂粉乳(スキムミルク)

製品タイプ別に、市場は全脂粉乳と脱脂粉乳に二分されています。その中でも全脂粉乳は最もポピュラーな製品タイプで、食品業界では一般的に使用されている原料です。

機能別の市場構成

・乳化

・発泡

・香料

・増粘

機能別に、市場は乳化、発泡、香料、増粘に分けられます。粉ミルクは、サラダドレッシング、肉の乳化、スープ、ソース、乳飲料、焼き菓子などの乳化、ケーキ、ムース、アイスクリームなどの起泡剤、焼き菓子の香味料、ソース、乳飲料、ヨーグルト、プリン、焼き菓子などの増粘剤として使用されます。

用途別の市場構成

・インファントフォーミュラ

・菓子類

・スポーツ・栄養食品

・ベーカリー製品

・ドライミックス

・発酵乳製品

・食肉製品

・その他

粉ミルクは麦芽ミルク、ヌガーセンター、キャラメル菓子、ミルクチョコレート、ソフトスイーツ、各種菓子のコーティングなどに使用されます。

地域別の市場区分

・欧州連合

・ニュージーランド

・中国

・米国

・ブラジル

・その他

地域別では、EUが世界最大の粉ミルク生産国であり、世界市場全体の5分の1以上を占めています。その他の主な地域は、ニュージーランド、中国、米国、ブラジルです。

市場の競合状況

世界の粉ミルク市場における主要な企業は以下の通りです。

・Nestlé

・ダノン

・Lactalis

・Fonterra

・FrieslandCampina

・ディーンフーズ

・アーラ フーズ

・Dairy Farmers of America

・Kraft Foods

・サプート

・パルマラット

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