リチウム化合物市場、2028年に86億米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界のリチウム化合物市場は、2022年に54億米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は8.22%のCAGRで成長し、2028年には86億米ドル規模に達すると予想されています。
リチウムは銀白色のアルカリ金属で、一般に鉱石や鉱泉から抽出されます。同位体であるLi6とLi7の混合物で、腐食性があり、白い炎で燃焼します。金属の中で最も密度が低く、酸化物、窒化物、炭化物、水素化物、水酸化物などの有機・無機化合物を形成します。これらの化合物は、セラミックス、原子力材料、ガラス、医薬品、電池の製造など、さまざまな産業用途に広く利用されています。
市場の動向
現在、自動車産業では、高いエネルギー密度、長いライフサイクル、低い自己放電率とメンテナンス、急速充電機能など、数多くの利点からリチウムイオン電池の利用が増加しています。このことは、電気自動車(EV)や省エネロボットの生産にリチウムイオン二次電池が導入され始めていることと相まって、市場の成長を促進する重要な要因となっています。また、リチウムイオン電池を搭載した携帯電話、カメラ、ノートパソコン、電動工具などの家電製品の需要増加も、市場の成長に寄与しています。さらに、リチウム化合物は製品の寿命を延ばし、表面張力を高め、熱衝撃に強く、機械的強度を向上させる効果があります。そのため、世界中のガラスやセラミック産業で幅広い用途が見いだされています。さらに、高効率の電池を製造するための技術改良が急速に進んでいることも、市場に明るい展望をもたらしています。その他、医療業界におけるリチウム化合物の使用量の増加や、インフラ整備への多額の投資などが、市場の成長を後押ししています。
主要な市場区分
世界のリチウム化合物市場は、タイプ、最終用途、地域に基づいて細分化されています。
タイプ別の市場区分
・炭酸リチウム
・水酸化リチウム
・リチウム濃縮物
・金属リチウム
・塩化リチウム
・ブチルリチウム
・その他のリチウム化合物
現在、炭酸リチウムがセラミックスやガラスなどの用途で使用されており、最大の市場シェアを占めています。
最終用途別の市場区分
・電池
・ガラス・ガラスセラミックス
・自動車部品
・グリース
・冶金
・高分子材料
・空気処理
・その他
現在、リチウム化合物は、自動車産業で幅広い用途が見いだされていることから、電池への応用が拡大しています。
地域別の市場区分
・アジア太平洋地域
・北米
・欧州
・中東・アフリカ
・中南米
アジア太平洋地域は、電気自動車やハイブリッド車の生産台数が増加しているため、市場において主導的な地位を占めています。
市場の競合状況
世界のリチウム化合物市場における主要な企業としては、SQM S.A.、FMC Corporation、Orocobre Limited、Lithium Americas Corp.、Neometals Ltd.などが挙げられます。