ネフェリン市場、2028年に2億613万米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界のネフェリン市場は、2022年に1億7,871万米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は2.3%のCAGRで推移し、2028年には2億613万米ドル規模に達すると予想されています。
カリウムやアルミニウムの代替資源としてネフェリン閃石が導入されつつあること、塗料やコーティング剤の配合にネフェリン閃石が使用されつつあること、希土類元素(REE)の抽出量が大幅に増加していることは、市場を牽引する重要な要因となっています。
ネフェリンとは、ネフェリンと輝石を主成分とする細粒のアファナイト系火成岩のことです。ネフェリン、マイクロクリン(カリウム長石)、アルバイト(ナトリウム長石)に加え、雲母、磁鉄鉱、角閃石などが含まれています。通常、白色、黄色、灰色、緑色、または赤みを帯びた外観のネフェリン集合体は、コンパクトで粒状であり、半透明で油状の光沢を持っています。ネフェリンは、カリウムとナトリウムのアルミノケイ酸塩であるトリディマイトと類似の構造を持ち、2つの多形群を構成しています。そのため、溶融マグマはシリカを含まないので、ネフェリンはシリカ含有量が非常に少なく、アルミナ含有量が多く、化学的耐久性が高く、耐熱性が高いという特徴があります。ネフェリンは、耐候性と光沢を付与することができるため、耐候性塗料に広く使用されています。また、プラスチックや発泡ゴムの充填材としても広く使用されています。
市場の動向
カリウムとアルミニウムの採掘のための代替資源としてネフェリン・シエネナイトを導入する動きが活発化しており、世界市場を牽引しています。これは、主力企業がケイ酸塩鉱物からカリウムとアルミニウムを抽出するための統合的なアプローチを実施することに重点を置いていることに起因しています。これに加えて、電気・電子機器、医療機器、自動車など、多くの最終用途産業におけるネフェリンの原料としての需要の高まりが、市場に好影響を与えています。さらに、塗料やコーティング剤の処方におけるネフェリン・シエネナイトの使用量の増加が、市場に拍車をかけています。このほか、世界中の建設分野の著しい成長も、ネフェリンの需要を促進しています。さらに、プラスチックおよびプラスチック副産物の製造における継続的な技術進歩が、市場に明るい展望をもたらしています。このほか、希土類元素(REE)の抽出量が大幅に増加していることも、市場に有利な機会をもたらしています。また、セラミックタイルや調理器具の製造における製品の急速な利用が、市場の成長に拍車をかけています。その他、急速な都市化と工業化、多くの最終用途におけるプラスチック製品の人気の高まり、可処分所得水準の上昇、主力企業による広範な研究開発(R&D)活動なども、市場の成長を後押ししています。