産業用マザーボード市場、2028年に25億2,000万米ドル規模到達見込み
市場の概要
産業用マザーボードの世界市場は、2022年に17億9,000万米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は5.7%のCAGRで成長し、2028年には25億2,000万米ドル規模に達すると予想されています。
自律走行車や高級車の需要の高まり、電子機器の小型化の進展、インダストリー4.0の登場などが、市場を牽引する重要な要因となっています。
産業用マザーボードは、コンピュータのケース内に装備されるメインプリント回路基板(PCB)で、コンピュータハードウェアのコンポーネントに接続性と拡張性を提供するプラットフォームとして動作します。産業用マザーボードは、極端な温度や振動などの環境条件にさらされる産業用や商業用で使用されるように設計されています。中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、グラフィックカードなど、コンピュータに不可欠な様々な部品や周辺機器を接続します。これらの製品は、長期間の運用をサポートし、優れた信頼性、耐久性、長寿命を提供します。また、衝撃や水こぼしによる損傷にも強いのが特徴です。現在、マザーボードは様々なデザイン、形状、サイズ、機能を備えており、特定のプロセッサーやメモリータイプで機能するように独自に製造され、互いに区別されています。
市場の動向
産業用マザーボードは、自動車産業において、ドア、標識、走行距離計、点火装置、カメラ、支払い端末など、さまざまな機器を制御する車載機能に採用されています。これは、車載用安全ソリューションの需要の増加や、ドライバーと乗客の安全性を向上させるための先進運転支援システム(ADAS)とコネクテッドカーの統合の進展と相まって、世界中で市場の成長を促進する要因の一つとなっています。さらに、自律走行車や高級車に対する需要の高まりは、市場にプラスの影響を与えています。また、カジュアルゲーマーやプロゲーマーの増加に伴い、ゲーミングノートPCやデスクトップPCの販売台数が増加していることも、市場の成長に好影響を与えています。これらの製品は、CPUのオーバークロックや様々なゲーム機能を実現し、デバイスとの互換性を高めています。また、都市部や農村部における現金自動預け払い機(ATM)の普及が、産業用マザーボードの世界的な需要を促進しています。このほか、磁気共鳴画像装置(MRI)、コンピュータ断層撮影装置(CT)、手術用画像処理装置、超音波医療機器、消毒ロボット、医療用ビデオレコーダー、患者モニター、X線画像、薬の選別、治療薬バーコードスキャナーなどの医療機器に産業用マザーボードの導入が進んでいます。自動化という新たなトレンド、電子機器の小型化に対する需要の高まり、インダストリー4.0の普及などの要因も、市場に明るい展望をもたらしています。