データセンター冷却市場、2028年に303億米ドル規模到達見込み

市場の概要及び動向

世界のデータセンター冷却市場は、2022年に133億米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は14%のCAGRで成長し、2028年には303億米ドル規模に達すると予想されています。

データセンターの冷却は、データセンター施設内で理想的な動作温度を維持するために採用された機器、技術、プロセスを指します。データセンターの冷却は、熱エネルギーを外部環境に伝達し、過熱によるダウンタイムを減らすことで施設の全体的なパフォーマンスを向上させるのに役立っています。さらに、費用対効果に優れ、エネルギー効率に優れ、環境に優しいことから、世界中のデータセンター事業者がこれらの冷却システムを採用しています。データセンターの冷却に採用されている技術には、蒸発冷却、液浸システム、自由冷却、校正ベクトル冷却(CVC)、冷水システム、チップ直下冷却、液体冷却などがあります。

データセンターの高密度化に伴い、多くの企業がコンピューターシステムの冷却に革新的な方法を導入し、効率の向上と稼働時間の最大化に取り組んでいます。例えば、Google社はフィンランドのハミナにあるデータセンターの1つで、温度維持のために海水を使用しています。このシステムでは、デバイスや機器の冷却に冷水を使用するため、二酸化炭素の排出はありません。同様に、Facebook社はデータセンターの冷却に、取り込んだ雨水を利用しています。さらに、スマートアシスタントであるAdeptDCは、機械学習によってCPUとGPUの温度を読み取り、データセンターの管理者がいつ、どれだけの冷却が必要かを知る手助けをします。さらに、各国の政府は、データセンターの運用における排出量と電力消費効率に関する環境規制を義務付けています。このため、環境に優しいデータセンター冷却ソリューションの需要が世界中で高まっています。

主要な市場区分

世界のデータセンター冷却市場は、ソリューション、サービス、冷却方式、冷却技術、データセンタータイプ、業種に基づいて細分化されています。

ソリューション別の市場区分

・空調

・チリングユニット

・クーリングタワー

・エコノマイザーシステム

・液冷システム

・制御システム

・その他

サービス別の市場区分

コンサルティング

導入・展開

保守・サポート

冷却方式別の市場区分

・ルームクーラー

・列型冷却

・ラック冷却

冷却技術別の市場区分

・液冷

・空冷

データセンタータイプ別の市場区分

・中規模データセンター

・企業向けデータセンター

・大規模データセンター

業種別の市場区分

・BFSI

・IT・通信

・研究・教育機関

・政府・防衛

・小売

・エネルギー

・ヘルスケア

・その他

市場の競合状況

世界のデータセンター冷却市場における主要な企業としては、Airedale International Air Conditioning, Asetek, Black Box Corporation, Climaveneta Climate Technologies, Coolcentric, Emerson Electric, Fujitsu, Hitachi, Netmagic, Nortek Air Solutions, Rittal, Schneider Electric, STULZ GmbH, Vertivなどが挙げられます。

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