自動車用IC市場、2028年に904億米ドル規模到達見込み

市場の概要

世界の自動車用IC市場は、2022年に491億米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は10.3%のCAGRで成長し、2028年には904億米ドル規模に達すると予想されています。自律走行車の導入が進んでいること、ドライバーの安全とセキュリティに関する厳しい政府規制が実施されていること、高級車やプレミアムカーの販売が増加していることなどが、市場を牽引する重要な要因となっています。

自動車用ICとは、発振器、マイクロプロセッサー、タイマー、アンプ、メモリーなどの機能を持ち、車両システム用にカスタマイズされたシリコン製のマイクロチップを指します。数平方ミリメートルの半導体ウェハーに、多数のトランジスタ、コンデンサー、抵抗などをワンチップに作り、自動車の性能を高めます。自動車用ICは、自動車の差別化を図るとともに、自動車の総合的な性能・能力を高めるために重要な役割を担っています。アナログレーダーフロントエンドに安定性の高い電源電圧を供給し、デジタルモノリシックマイクロ波部品と外部ローカル相互接続ネットワーク(LIN)バストランシーバーに供給電圧を分離することができます。自動車用ICは、パワートレイン系の低排出ガス化・高効率化、人命救助系の迅速な対応などを実現するために不可欠です。そのため、先進の自動車用ICは、自動車の安全システム、運転支援、パワートレイン制御、インフォテインメント・コンソールなどに使用されています。また、車載電子システムの小型化の原動力にもなっています。

市場の動向

大衆の間で自律走行車に対する需要が高まっていることが、市場の成長を促進する重要な要因となっています。また、ドライバーの安全・安心のために厳しい政府規制が導入されていることも、市場に明るい展望をもたらしています。さらに、自動車分野でのモノのインターネット(IoT)の統合が、市場に拍車をかけています。このほか、自動車における高度なドライバーの安全・安心機能の導入が進んでいるため、世界レベルで製品の普及が進んでいます。さらに、トランスミッション制御や車載通信システムなど、最新のコネクテッド・ビークル機能を搭載した高級車やプレミアムカーの販売が増加していることも、市場を後押ししています。しかし、半導体チップの価格上昇や設計の複雑さに関連する問題の増大は、市場成長を阻害する要因の一つとなっています。一方、乗用車の急速な電動化と電気自動車(EV)の継続的な技術革新は、市場に有利な成長機会をもたらしています。このほか、主力企業が地理的プレゼンスを高めるためにパートナーシップ、コラボレーション、M&Aなど数多くの戦略を導入していることも、市場の推進要因となっています。その他、急速な都市化と工業化、自動車および輸送分野の著しい成長、主力企業間の激しい競争、可処分所得水準の上昇、大規模な研究開発活動なども、市場の成長要因として挙げられます。

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