ガラスセラミックス市場、2028年に21億米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界のガラスセラミックス市場は、2022年に15億米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は5.73%のCAGRで成長し、2028年には21億米ドル規模に達すると予想されています。建築・建設業界における製品需要の高まり、半導体業界の大幅な成長、ガラスセラミックスを使用したキッチン家電の販売増加などが、市場を牽引する重要な要因となっています。
ガラスセラミックスとは、ガラスを熱処理して低エネルギーで結晶化させた微粒子の多結晶体からなる材料です。ガラスと多結晶セラミックスを組み合わせたもので、ガラスの結晶化によって微細な組織を持つ多結晶材料から作られます。結晶相と非晶質相の異なるガラスが部分的に結晶化したセラミックスで、かなりの温度領域でほとんど膨張せず、ノイズも低減させることができます。耐摩耗性や機械的強度が高く、浸食や雨、風などの過酷な環境にも耐えることができます。また、高強度、無気孔、透明性に加え、化学的に不活性であるため、熱的安定性にも優れています。 ガラスセラミックスは、従来のものと比べて堅牢で、熱を効率よく伝えることができます。
市場の動向
建築・建設業界におけるガラスセラミックスの需要の高まりは、市場成長の重要な要因となっています。これは、世界的に建設活動が大幅に増加していることに起因しています。また、半導体製造装置へのガラスセラミックスの導入が進んでいることも、市場を活性化させています。さらに、携帯電話やWi-Fiアプリケーション用のアンテナの製造にガラスセラミックスが急速に利用されるようになり、製品の普及が進んでいます。さらに、椎間孔の脊椎修復など、整形外科用途でのガラスセラミックの需要拡大も、市場に明るい展望をもたらしています。さらに、航空宇宙・防衛産業が大きく成長し、ハイエンド航空機やミサイルの需要が高まっていることも、この市場を後押ししています。このほか、ガラスセラミックスを使用した調理台、コンロ、ベークウェア、電子レンジ、暖炉の扉などの売上が大幅に増加し、世界規模で市場に有利な機会を創出しています。 また、主力企業が骨・筋骨格系組織工学用の高度な生物活性ガラスセラミックスに焦点を当てた広範な研究開発(R&D)活動を行い、医療業界で臨床試験を継続していることが市場をさらに活性化させています。その他、急速な都市化と工業化、可処分所得水準の上昇、継続的な製品の技術革新なども、市場の推進要因として挙げられます。