臨床栄養市場、2028年に784億米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界の臨床栄養の市場は、2022年に479億米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は8.35%のCAGRで成長し、2028年には784億米ドル規模に達すると予想されています。
臨床栄養学とは、医療栄養療法を導入することで疾病管理に焦点を当てた栄養学の専門分野を指します。また、必須栄養素の不足により発生する慢性障害に関連する栄養および代謝状態の診断と予防も含まれます。一般的に利用可能な臨床栄養の種類には、乳児栄養、経腸栄養、非経口栄養などがあります。臨床栄養は、栄養不足がもたらす影響の軽減、病気治療に対する効果の促進、免疫力の向上、摂取機能の強化など、数多くの利点をもたらします。
市場の動向
肥満、高血圧、コレステロール値の異常などのリスクを高める代謝異常の有病率が上昇していることが、世界の臨床栄養市場の主な推進要因となっています。また、慢性的な消化器系疾患にかかりやすい高齢者層の拡大も、在宅医療モデルにおける臨床栄養の需要を後押ししています。このほか、早産件数の増加や、小児医療分野における臨床栄養のニーズの高まりも、市場の成長をさらに押し上げています。さらに、医療インフラの継続的な改善や疾患管理のための臨床栄養処置の容易な利用可能性に関する政府の意識向上プログラムの導入も、市場の成長要因として作用しています。これとは別に、COVID-19の大流行により、コロナウイルス感染のリスクを防止するために、臨床栄養を含む免疫強化製品の需要が大幅に増加しました。臨床栄養は、COVID-19感染者の免疫力向上とともに、急性栄養失調およびタンパク質不足の改善に役立っています。さらに、脂質エマルションの最適化、液体の経口臨床栄養剤の導入など、臨床栄養ソリューションにおける重要なイノベーションが、予測期間における世界の臨床栄養市場を牽引すると予想されています。
主要な市場区分
臨床栄養の世界市場は、製品、投与経路、用途、エンドユーザーに基づいて細分化されています。
製品別の市場区分
・乳児用栄養剤
・大人用栄養剤
・経腸栄養剤
投与経路別の市場区分
・経口
・経腸
・非経口
用途別の市場区分
・がん
・栄養失調
・代謝異常
・消化器系疾患
・神経系疾患
・その他
エンドユーザー別の市場区分
・小児
・成人
・老人
市場の競合状況
臨床栄養の世界市場における主要な企業としては、Abbott Laboratories, B. Braun Melsungen AG, BASF SE, Baxter International Inc., Danone S.A., Fresenius SE & Co. KGaA, Grifols S.A., Koninklijke DSM N.V., Meiji Holdings Co. Ltd., Nestle S.A., Perrigo Company plc, Reckitt Benckiser Group PLCなどが挙げられます。