食物繊維市場、2028年に128億米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界の食物繊維市場は、2022年に84億米ドルの規模に達しました。2023年から2028年にかけて、市場は7.4%のCAGRで成長し、2028年には128億米ドル規模に達すると予想されています。
食物繊維（粗飼料）は、果物、野菜、ナッツ、レンズ豆、穀物など様々な食品に含まれる難消化性の複合炭水化物です。食物繊維には主に水溶性と不溶性の2種類があり、消化器官の適切な機能の維持を助けます。水溶性食物繊維は満腹感を与え、体重減少を促進し、体内のコレステロール値や血糖値をコントロールします。一方、不溶性食物繊維は、水分を吸収して便通を正常にし、胃や腸の機能を正常に保つ働きがあります。また、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群（IBS）、痔や便秘の予防にも役立ちます。
市場の動向
積極的なヘルスケアと健康的なライフスタイルの維持に向けた消費者志向の高まりは、市場の成長を促す重要な要因となっています。また、心血管疾患（CVD）、高血圧、糖尿病、胃腸障害などの慢性的な生活習慣病の蔓延も、市場成長を押し上げています。消費者は、食品、飲料、栄養補助食品、医薬品を通じて、毎日の食事に食物繊維を取り入れるようになっています。これはまた、肉の代替品として、繊維を豊富に含むビーガン食品の需要が世界的に拡大していることにもつながっています。さらに、食物繊維の全体的な効率を高めるために、ピーナッツの皮や外皮などの廃棄物を原料として使用するための広範な研究開発（R&D）活動も行われています。その他、多種多様な強化食品が容易に入手できるようになっていることや、消費者の可処分所得の増加などが、市場の成長をさらに加速すると予測されています。
主要な市場区分
食物繊維の世界市場は、種類、供給源、用途に基づいて細分化されています。
種類別の市場区分
水溶性食物繊維
・イヌリン
・ペクチン
・ポリデキストロース
・ベータグルカン
・その他
不溶性食物繊維
・セルロース
・ヘミセルロース
・キチン・キトサン
・リグニン
・食物繊維/ブラン
・レジスタントスターチ
・その他
種類別では、現在、水溶性食物繊維が最も高い市場シェアを占めています。
供給源別の市場区分
・果物・野菜
・穀物・穀類
・豆類
・ナッツ類・種子類
供給源別に見ると、穀物・穀類が市場シェアの大半を占めています。
用途別の市場区分
・機能性食品・飲料
・医薬品
・動物用飼料
・その他
用途別では、現在、機能性食品・飲料が最も高い市場シェアを占めています。
市場の競合状況
食物繊維の世界市場における主要な企業としては、Archer Daniels Midland Company, Cargill, Incorporated, DuPont Nutrition Bioscience Aps, FutureCeuticals, Grain Processing Corporation, Ingredion Incorporated, Kerry Group plc, Lonza Group Ltd., Nexira, Roquette Freres, Sudzucker AG, Tate & Lyle PLCなどが挙げられます。
