油脂市場、2027年に2,732億米ドル規模到達見込み

市場の概要

世界の油脂市場は、2021年に2,140億米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は4.1%のCAGRで成長し、2027年には2,732億米ドル規模に達すると予想されています。

油脂は、グリセリンと3つの脂肪酸が結合したエステルで、トリアシルグリセロールとも呼ばれ、植物と動物の両方に自然に存在します。油脂は、エネルギー源となる必須脂肪酸(EFA)を豊富に含み、臓器を保護し、血液中のビタミンA、D、E、Kを運搬するため、健康的な食生活には欠かせないものです。そのため、食品・飲料業界では、様々な食品の風味や食感を高めるために広く使用されています。その他、動物飼料、医薬品、バイオディーゼル、油脂化学品などの生産にも利用されています。

市場の動向

加工食品の消費量が増加していることは、世界の油脂市場の成長を促す重要な要因の一つです。また、バイオディーゼルの利用を支援し、化石燃料による環境への影響を最小限に抑えるための政府の優遇政策が、市場の成長にプラスの影響を与えています。さらに、石鹸、塗料、洗剤、ワニス、潤滑油などの製造において、石油化学製品よりも油脂化学製品が好まれるようになってきたことも、市場の成長に寄与しています。現在、コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により、免疫力を高めるために、エキストラバージンオリーブオイルやナッツバター、ペーストなどの健康的な食用油や栄養食品の消費が増加しています。多くの国の政府が実施したロックダウンや様々な製造施設の一時的な閉鎖により、これらの製品の生産や流通にも影響が出ていましたが、今後数年間で市場は回復すると予想されています。

主要な市場区分

世界の油脂市場は、タイプ、用途、原料、販売チャネルなどに基づいて細分化されています。

タイプ別の市場区分

オイルタイプ

・パーム油

・大豆油

・菜種油

・ヒマワリ油

・オリーブオイル

・その他

脂肪タイプ

・バター

・ショートニング・マーガリン

・ラード

・タロウ

・その他

用途別の市場区分

・食品用

・工業用

原料別の市場区分

・植物

・動物

販売チャネル別の市場区分

・直販

・スーパーマーケット・ハイパーマーケット

・小売店

・オンラインストア

・その他

市場の競合状況

世界の油脂市場における主要な企業としては、Ajinomoto Co. Inc.、Archer-Daniels-Midland Company、Associated British Foods plc、Bunge Limited、Cargill Incorporated、Conagra Brands Inc.、Fuji Oil Holding Inc.、Unilever、United Plantations Berhad、Wilmar International Limitedなどが挙げられます。

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