スチレン系ブロックコポリマー市場、2027年に104億米ドル規模到達見込み

市場の概要

スチレン系ブロックコポリマーの世界市場は、2021年に75億米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は5.5%のCAGRで成長し、2027年には104億米ドル規模に達すると予想されています。

熱可塑性樹脂とエラストマーの特性を併せ持つスチレン系ブロックコポリマー(SBC)は、エラストマーの中心配置とポリスチレンベースのエンドセグメントを持つブロックコポリマーの一種です。中央のブロックは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン-ブテンコポリマーなどのゴム状ポリマーで構成され、粘弾性特性を備えています。これらのポリマーはさまざまな構成で製造することができますが、ジブロック、リニア、マルチブロックが最も一般的な構成となっています。現在、SBCはポリマー改質、舗装・ルーフィング、テープやラベルなどのホットメルト接着剤(PSA)製品など、幅広い用途が見いだされています。

市場の動向

スチレン系ブロックコポリマーの世界市場の成長は、さまざまな分野でのSBCの用途の広がりに起因しています。例えば、シーラント、ガスケット材料、輪ゴム、玩具製品、靴底などの性能を高め、全体的な生産コストを削減するために使用されています。さらに、おむつ用接着剤や伸縮性フィルムの処方にも導入されています。また、プラスチックや接着剤の耐衝撃性改良剤および靭性向上剤としても人気を集めています。このほか、SBS改質アスファルトは、道路の舗装や屋根の用途に広く利用されています。また、数カ国で既存のインフラの改良に注目が集まっていることに伴い、建設活動が活発化していることも、市場の成長に寄与しています。さらに、SBCは柔軟性、弾力性、強度、耐久性を備えているため、医療用バッグ、フレキシブルフィルム、点滴システム用チューブ、蠕動ポンプシステム、在宅介護機器、その他の治療薬デリバリーシステムなどに利用されています。これらの医療用品の需要の高まりは、今後数年間に渡り市場の成長を牽引すると予想されています。

主要な市場区分

世界のスチレン系ブロックコポリマー市場は、タイプ別と用途別に細分化されています。

タイプ別の市場区分

スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)

スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)

水添SBC(HSBC)

その他

用途別の市場区分

アスファルト改質

接着剤・シーラント

ポリマー改質

医療機器

電線・ケーブル

その他

市場の競合状況

世界のスチレン系ブロックコポリマー市場における主要な企業としては、Asahi Kasei Corporation, BASF SE, Chi Mei Corporation, China Petroleum and Chemical Corporation, Denka Company Limited, En Chuan Chemical Industries Co., INEOS Styrolution Group GmbH, JSR Corporation, Kraton Corporation, Kumho Petrochemical Co. Ltd., Lee Chang Yung Chemical Industry Corp., TSRC Corporation, Versalis S.p.A.,  Zeon Corporationなどが挙げられます。

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