クロム市場、2027年に173億3,000万米ドル規模到達見込み

市場の概要

世界のクロム市場は、2021年に143億7,000万米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は3.10%のCAGRで成長し、2027年には173億3,000万米ドル規模に達すると予想されています。

クロムは、岩石、動物、植物、土壌、火山の塵やガスに自然に存在する、硬くて鉄鋼色の金属元素です。また、肉、果物、野菜、ナッツ、スパイス、ビール、ワイン、ビール酵母、穀物製品など、さまざまな食品に含まれています。抗酸化作用があり、炭水化物、脂質、タンパク質の代謝に重要な役割を果たすため、栄養補助食品に配合することで、世界的に支持を集めています。また、電気めっき、合金の製造、染料や顔料の製造、皮革や木材の防腐、冷却塔の水の処理などにも利用されています。

市場の動向

クロムはステンレス鋼の製造に使用され、自動車の排気システム、ホースクランプ、シートベルトスプリング、シャーシ、サスペンション、ボディ、燃料タンクなどの自動車部品の製造に広く利用されています。これは、急速な都市化、所得水準の上昇、道路インフラの改善により乗用車の販売が増加していることと相まって、市場の成長を促す重要な要因の一つとなっています。このほか、クロムは、糖尿病予備軍や1型・2型糖尿病患者の血糖値改善に不可欠な医薬品の製造に使用されています。さらに、ステロイドの過剰摂取やヒト免疫不全ウイルス(HIV)の蔓延による高血糖患者の大幅な増加が、世界中でクロムベースの医薬品の需要を押し上げています。これは、糖尿病やその他の深刻な健康状態を発症する可能性が高い高齢者人口の増加にも起因しています。これとは別に、クロムは手頃な価格で容易に入手できるため、掘削泥水、繊維、コピー機のトナーなどにも用途が広がっており、市場に明るい展望をもたらしています。

主要な市場区分

世界のクロム市場は、グレード、用途、業種に基づいて細分化されています。

グレード別の市場区分

冶金

耐火物・鋳造

化学品

用途別の市場区分

合金鉄鋼生産量

ステンレス鋼製造用

耐火物添加剤

非鉄合金製造

その他

業種別の市場区分

化学・石油化学製品

エネルギー・電力

鉱業

鉄鋼

自動車

その他

市場の競合状況

世界のクロム市場における主要な企業としては、ACI Alloys、Al Tamman Indsil FerroChrome L.L.C、Belmont Metals Inc.、Edgetech Industries LLC、Eurasian Resources Group、Ferbasa、Glencore plc、Gulf Mining Materials Company、Odisha Mining Corporation Limited、ProChem Inc. International、RD Mathis Company、Samancor Chrome Ltd.などが挙げられます。

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