マルチテナントデータセンター市場、2027年に484億米ドル規模到達見込み

市場の概要

世界のマルチテナントデータセンター市場は、2021年に312億米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は7.49%のCAGRで成長し、2027年には484億米ドル規模に達すると予想されています。

マルチテナント型(コロケーション型)データセンター(MTDC)とは、企業が物理的スペースやネットワーク帯域、その他のデータセンターリソースを複数の顧客と同時に借りることができるサービスを指します。これらのデータセンターは第三者によって運営され、一般的に二つの形式で提供されています。リテールコロケーションとホールセールコロケーションです。データセンターでは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などを設置することができ、共有環境による費用対効果、他のアプリケーションとの精巧な連携、最小限のメンテナンス要件など、さまざまな利点があります。そのため、情報技術(IT)、電気通信、防衛、製造、小売など、さまざまな業界で幅広く利用されています。

市場の動向

世界的にIT産業が大きく成長していることは、市場の見通しを明るくする重要な要因の一つです。さらに、インターネットが日常生活に浸透しつつあることや、ソフトウェア定義型データセンター(SDDC)の採用が拡大していることも、市場の成長を後押ししています。MTDCは、サービスプロバイダーと複数の企業間の物理的・組織的な境界の制限を克服するのに役立ちます。また、ヘルスケアセンターでは、患者の記録や健康監視・検査システムの管理にも利用されています。さらに、グリーンデータセンターの開発など、さまざまな技術的進歩も市場成長を促す要因となっています。消費者の間では、環境への二酸化炭素排出量に対する意識が高まっており、マルチテナント型のグリーンデータセンターが広く採用されるようになっています。また、通信インフラの大幅な改善とともに、既存データセンターのアップグレードが進んでいることも、市場のさらなる拡大につながると予想されています。

主要な市場区分

世界のマルチテナントデータセンター市場は、ソリューションタイプ、アプリケーション、企業規模、エンドユーザーに基づいて細分化されています。

ソリューションタイプ別の市場区分

リテールコロケーション

ホールセールコロケーション

アプリケーション別の市場区分

パブリッククラウド

プライベートクラウド

企業規模別の市場区分

中小企業

大企業

エンドユーザー別の市場区分

IT・通信

BFSI

ヘルスケア

政府・防衛

製造業

小売業

その他

市場の競合状況

世界のマルチテナントデータセンター市場における主要な企業としては、AT&T Inc., CentriLogic Inc., CenturyLink Inc., Digital Realty Trust, Inc., Equinix Inc., Fujitsu Limited (Furukawa Group), Global Switch Limited, HCL Technologies Limited, IBM, Internap Corporation, NTT Communications Corporation (Nippon Telegraph and Telephone Corporation), Rackspace Technology Inc.などが挙げられます。

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