トランスレスUPS市場、2027年に34億米ドル規模到達見込み
市場の概要
トランスレスUPSの世界市場は、2021年に16億米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は13.53%のCAGRで成長し、2027年には34億米ドル規模に達すると予想されています。
無停電電源装置（UPS）とは、主電源に障害が発生した場合に、短時間だけコンピュータを稼働させるための装置です。インバーターとは異なり、瞬時の電力供給が可能で、一次電源からの電力サージも遮断することができます。従来はトランスを使用して低電圧を昇圧していましたが、最近ではトランスレスUPSが主流となっています。トランスレスUPSは、高電圧を扱う絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ（IGBT）を採用し、インバーター後の昇圧トランスの必要性を排除したシステムです。このシステムは、二酸化炭素排出量が少なく、投資とランニングコストの削減を支援します。
市場の動向
トランスレスUPSは、特に常時電力供給が必要な分野で急速に普及が進んでいます。そのため、BFSI、通信、発電、石油・ガス、鉄道、航空などの産業において、トランスレスUPSは重要なコンポーネントとなっています。また、市場のもう一つの傾向として、よりコンパクトでスマートなシステムに対する要求が高まっています。さらに、大手メーカーは、熱IGBTの直接制御を可能にする温度センサーを統合することで、より優れた設計の導入に注力しています。また、故障を回避し信頼性を高めるために、部品点数の削減も進めています。しかし、コロナウイルス感染症（COVID-19）の突然の発生と、それに伴う各国政府によるロックダウンは、サプライチェーンの混乱を招き、全体の生産量を減少させることになりました。今後、ロックダウンが解消されれば、市場は再び拡大すると予想されています。
主要な市場区分
トランスレスUPSの世界市場は、コンポーネントタイプ、電力、最終用途産業に基づいて細分化されています。
コンポーネントタイプ別の市場区分
・整流器・インバーター部品
・バッテリー
・プリント基板
・メカニカル部品
・その他
電力別の市場区分
・10-100 KVA
・101-250 KVA
・250KVA以上
最終用途産業別の市場区分
・BFSI
・通信
・政府機関
・メーカー
・運輸
・ヘルスケア
・その他
市場の競合状況
トランスレスUPSの世界市場における主要な企業としては、ABB Ltd., Borri S.p.A, Eaton Corporation Plc, Emerson Electric Co., General Electric Company, Mitsubishi Electric Corporation, RPS S.p.A. (Riello Elettronica S.p.A.), Schneider Electric, Shenzhen Kstar Science & Technology Co. Ltd, Toshiba Corporationなどが挙げられます。
