アクリル樹脂市場、2027年に262億米ドル規模到達見込み
市場の概要
アクリル樹脂の世界市場は、2021年に193億米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は5.31%のCAGRで成長し、2027年には262億米ドル規模に達すると予想されています。
アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、シアノアクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド、または低レベルのモノマーから製造される透明な熱可塑性プラスチックです。紫外線（UV）および酸化安定性に優れているため、芝生や園芸用品、スポーツ用品、自動車外装部品、安全ヘルメット、建築材料などに使用されています。また、他のポリマーと複合して、耐候性のあるアロイやコンパウンドを作ることもできます。現在、アクリル樹脂は溶剤系と水性があり、幅広い自然色でカスタマイズすることが可能となっています。
市場の動向
急速な都市化、世界人口の増加、所得水準の上昇に伴い、住宅や商業施設のインフラ建設への投資が増加していることが、市場の成長を促進する重要な要因となっています。アクリル樹脂は、透明シート、不透明な被覆材やパネル材、塗料、樹脂、シーラント、コンクリート、モルタル、レンダー、カーペット、家具、浴槽、シャワートレイ、流し台、建築用ファブリックの製造に広く使用されています。また、アクリル樹脂は耐可塑剤性や柔軟性に優れているため、自動車産業の補修用仕上げ材として利用されており、乗用車の販売増に伴い、市場の拡大につながっています。また、透明性や耐久性に優れていることから、レンズや携帯電話のディスプレイ窓、液晶ディスプレイの光導波路など、家電製品への応用も進んでいます。さらに、アクリル樹脂は、成形材料、コーティング剤、接着剤、バインダー、紙や繊維の加工などの工業製品に利用されています。さらに、射出成形や押出成形、虫歯を埋めるための歯科用途でも利用されています。このことは、慢性疾患や歯科疾患の有病率の上昇と相まって、市場の成長を後押ししています。
主要な市場区分
世界のアクリル樹脂市場は、タイプ、アプリケーション、エンドユーザーに基づいて細分化されています。
タイプ別の市場区分
・水性
・溶剤系
・その他
アプリケーション別の市場区分
・塗料・コーティング剤
・接着剤・シーラント
・その他
エンドユーザー別の市場区分
・自動車
・建築・建設
・エレクトロニクス
・パッケージング
・その他
市場の競合状況
世界のアクリル樹脂市場における主要な企業としては、Arkema S.A, BASF SE, DIC Corporation, Dow Inc., Koninklijke DSM N.V., Mitsubishi Chemical Corporation, Mitsui Chemicals Inc., NIPPON SHOKUBAI CO. LTD., Showa Denko Materials Co. Ltd., Solvay S.A., Sumitomo Chemical Co. Ltd.などが挙げられます。
