抗菌ガラス市場、2027年に3億6,270万米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界の抗菌ガラス市場は、2021年に2億3,450万米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は7.63%のCAGRで成長し、2027年には3億6,270万米ドル規模に達すると予想されています。
抗菌ガラスとは、殺菌・防カビ機能を強化した薄くて平らな反射面を指します。表面に接触した細菌、真菌、ウイルスなどの微生物を破壊し、その繁殖を防ぎます。ガラスの上層部に銀イオンを拡散させることで製造され、微生物と相互作用し、代謝や分裂のメカニズムを撹乱します。従来のガラスに比べ、衛生的でメンテナンス性に優れ、紫外線による高い除菌効果やセルフクリーニング効果も期待できます。
市場の動向
世界中で院内感染や後天性感染(HAI)の事例が増加していることは、市場の成長を牽引する重要な要因の一つです。その結果、これらのガラスは医療分野、特に火傷病棟、産科病棟、老年病棟で広く利用されています。さらに、抗菌ガラスは抗生物質耐性のある病原菌から身を守り、肺炎や血流・尿路の感染症など、さまざまな致命的疾患の予防に役立っています。このことは、ヘルスケアセンターやクリニックにおける衛生管理の重要性に関する意識の高まりと相まって、市場の成長を大きく牽引しています。さらに、食品・飲料(F&B)産業で使用される機械や装置の除菌用として、抗菌ガラスの需要が高まっていることも、市場の成長を促進する要因となっています。F&B業界のメーカーは、微生物汚染による腐敗を最小限に抑え、食品の保存期間を延ばすために、食品接触面に抗菌ガラスを使用することに重点を置いています。その他、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの家電製品の生産に抗菌ガラスを導入する動きが活発化していることや、広範な研究開発(R&D)活動も相まって、市場はさらに成長すると予測されています。
主要な市場区分
抗菌ガラスの世界市場は、有効成分タイプ、ガラスタイプ、用途に基づいて細分化されています。
有効成分タイプ別の市場区分
・銀
・銅
・その他
ガラスタイプ別の市場区分
・水溶性
・ポーラス
・コーティング
・その他
用途別の市場区分
・病院病棟
・食品・飲料
・軍用機器
・家庭用製品
・その他
市場の競合状況
抗菌ガラスの世界市場における主要な企業としては、AGC Glass Europe、Beijing JiYan-Tech Co. Ltd., BUFA Glas GmbH & Co. KG、Corning Inc.、Essex Safety Glass Ltd.、Innovative Glass、Ishizuka Glass Co. Ltd.、Joh. Sprinz GmbH Co. KG、Morley Glass & Glazing Ltd.、Sumita Optical Glass Ltd.、Saint Gobain SA などが挙げられます。