電池材料市場、2027年に686億7,000万米ドル規模到達見込み
市場の概要
世界の電池材料市場は、2021年に476億5,000万米ドルの規模に達しました。2022年から2027年にかけて、市場は6.10%のCAGRで成長し、2027年には686億7,000万米ドル規模に達すると予想されています。
電池材料は、電池の電極、電解質、セパレータに含まれる可能性のある個々の材料です。アンチモン（Sb）、カドミウム（Cd）、銅（Cu）、鉛（Pb）、シリコン（Si）、リチウム（Li）、コバルト（Co）、ニッケル（Ni）、亜鉛（Zn）、黒鉛（C）、マンガン（Mn）から構成されています。中でも黒鉛は、アルカリ金属負極の反応性の高さやデンドライトの発生を回避できるため、電池材料の中で最も体積比率が高くなっています。現在、電池は家電製品、軍事用電子機器、医療機器、携帯機器など幅広い用途が見いだされており、電池材料の需要は世界中で増加しています。
市場の動向
スマートフォンやノートパソコンなどの電子機器への依存度が世界的に高まっています。このことは、市場の成長を後押しする重要な要因の一つとなっています。また、各国の政府は、電気自動車（EV）の導入を促進し、二酸化炭素排出量を削減するために、補助金や税制優遇措置などの財政的な優遇措置を実施しています。このことは、自動車産業の急成長と相まって、市場を牽引しています。さらに、エネルギー密度が高いことから、世界中でリチウムイオン電池（LIB）の利用が増加しています。また、コンピューターやITサーバーなどのオフィス機器に必要な、停電や電力変動時の緊急バックアップ用電源としても利用されています。また、ガソリンや鉛蓄電池の代替として、高速艇やヨットの動力源としても注目されています。さらに、LIB は車椅子、自転車、スクーター、その他移動に制限のある個人のためのモビリティエイドに利用されています。さらに、主力企業は地理的なプレゼンスを高めるために、国内企業との契約やパートナーシップにますます注力しており、これが市場の成長を後押ししています。
主要な市場区分
世界の電池材料市場は、タイプ、電池タイプ、用途に基づいて細分化されています。
タイプ別の市場区分
・正極
・負極
・電解液
・セパレータ
・その他
電池タイプ別の市場区分
・リチウムイオン電池
・鉛蓄電池
・その他
用途別の市場区分
・自動車産業
・家庭用電化製品
・エレクトロニクス
・その他
市場の競合状況
世界の電池材料市場における主要な企業としては、Albemarle Corporation, Asahi Kasei Corporation, BASF SE, Entek International Ltd., Johnson Matthey, Livent, Mitsubishi Chemical Holdings Corporation, Nichia Corporation, Showa Denko K. K., Sumitomo Chemical Co. Ltd., Targray Technology International Inc., Umicore N.V.などが挙げられます。
