抗凝固剤市場、2021年から2026年にかけて約10%のCAGRで成長見込み
市場の概要
世界の抗凝固剤市場は、2015年から2020年にかけて緩やかな成長を示しました。2021年から2026年にかけて、市場は約10%のCAGRで成長すると予測されています。
血栓は、体のどの部分でも血液が濃くなって半固形状の塊を形成するときにできます。この血栓は、脳卒中、心臓発作、肺塞栓症、一過性脳虚血発作、深部静脈血栓症(DVT)など、深刻な問題を引き起こします。そのため、世界中の医師は、血栓形成のリスクが高い人に抗凝固剤を処方しています。これらの薬剤は、血液をサラサラにし、血液凝固を防止・抑制し、凝固時間を延長させる働きがあります。ワルファリン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバンなど、通常カプセルや錠剤の形で販売されています。
市場の動向
最近の研究では、コロナウイルス(COVID-19)に罹患した人の血液凝固性亢進が、世界的に主要な死因の一つになる可能性があると指摘されています。そのため、重症患者や入院患者の血栓症治療に抗凝固剤の需要が増加しています。また、長時間の座り仕事、喫煙、外傷、血液疾患、自己免疫疾患などの特定の危険因子は、身体のさまざまな部位に血液凝固を引き起こす可能性があります。これは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎、ライム病、肥満、癌、慢性炎症の有病率の増加と相まって、市場の成長を促進する重要な要因となっています。さらに、世界中で高齢化が進んでいるため、外科手術の需要が高まっています。手術には長期の安静が必要な場合が多く、その結果、血液凝固のリスクが高まり、抗凝固剤の需要が拡大することになります。これらに加えて、診断率の向上と標的治療薬に対する需要の高まりが、市場の成長に拍車をかけています。さらに、オンライン薬局の登場も、世界的な抗凝固剤の需要拡大を加速しています。
主要な市場区分
世界の抗凝固剤市場は、薬剤クラス、投与経路、流通チャネル、用途に基づいて分類されています。
薬剤クラス別の市場区分
・新規経口抗凝固剤(NOACs)
・ヘパリン・低分子ヘパリン(LMWH)
・ビタミンK拮抗薬
・その他
投与経路別の市場区分
・経口抗凝固剤
・注射用抗凝固剤
流通チャネル別の市場区分
・病院薬局
・小売店
・オンラインストア
・その他
用途別の市場区分
・心房細動・心筋梗塞
・脳卒中
・深部静脈血栓症(DVT)
・肺塞栓症(PE)
・その他
市場の競合状況
世界の抗凝固剤市場における主要な企業としては、Alexion Pharmaceuticals Inc.、Aspen Holdings、Bayer AG、Boehringer Ingelheim International GmbH、Bristol-Myers Squibb Company、Daiichi Sankyo Company Limited、 Dr. Reddy’s Laboratories Ltd、GlaxoSmithKline plc、Johnson & Johnson Private Limited、Pfizer Inc.、 Sanofiなどが挙げられます。