免疫調整剤市場、2021年から2026年にかけて約6%のCAGRで成長見込み
市場の概要
世界の免疫調整剤市場は、2015年から2020年にかけて緩やかな成長を示しました。2021年から2026年にかけて、市場は約6%のCAGRで成長すると予測されています。
免疫調整剤は、感染症、免疫不全、抗体移動の変化に対する免疫反応を修正するために使用される一群の薬剤です。これらの薬剤には一般に、モノクローナル抗体、サイトカイン、レバミソール、バシラスカルメットゲリン(BCG)などが含まれます。これらは、がん、喘息、腫瘍、遺伝性血管性浮腫、および天疱瘡、ループス、アレルギー、関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療に広く使用されています。最近では、炎症性腸疾患(IBD)の管理に、生物学的製剤などの他の薬剤とともに免疫調整剤を推奨する医療機関も出てきています。
市場の動向
急速な都市化、所得水準の上昇、加工食品の消費量の増加などによる個人の不健康なライフスタイルが、世界的な慢性疾患の有病率の大幅な上昇を招いています。このことは、臓器移植の必要性をさらに高めており、臓器移植を受けた患者に対する有望な治療薬として、局所用免疫調整剤の需要にプラスの影響を与えています。また、高齢化社会の到来と事故の増加により、臓器不全のリスクも高まっています。その結果、複数の政府機関および非政府機関が臓器提供を奨励しており、これが局所用免疫調整剤の需要を世界的に押し上げています。さらに、IBDや自己免疫疾患の有病率の増加が市場の成長を後押ししています。免疫調整剤は、ステロイドの長期的な必要性を減らし、再発を防止し、抗生物質に反応しない疾患を治療するための併用療法にも利用されています。加えて、フルボキサミン、トシリズマブ、バリシティニブおよびレムデシビルを含むいくつかの免疫調整剤は、コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者の治療に適用されることが分かっています。このほかにも、いくつかの製品候補が現在、後期臨床試験段階にあります。これらの製品の開発により、生命を脅かすさまざまな疾患の治療における免疫調整剤の用途が拡大すると期待されています。
主要な市場区分
世界の免疫調整剤市場は、製品および用途に基づいて分類されています。
製品別の市場区分
免疫抑制剤
・抗体
・カルシニューリン阻害剤
・グルココルチコイド
・代謝拮抗剤
・その他
免疫賦活剤
・ワクチン
・抗体
・その他
用途別の市場区分
・オンコロジー
・呼吸器
・HIV
・その他
市場の競合状況
世界の免疫調整剤市場における主要な企業としては、Amgen Inc.、Biogen Inc.、Bristol-Myers Squibb Company、Eli Lilly and Company、F. Hoffmann-La Roche AG、Johnson & Johnson, Merck & Co. Inc.、Novartis AG、Pfizer Inc.などが挙げられます。