EV船市場、2021年から2026年にかけて緩やかな成長見込み

市場の概要

2015年から2020年にかけて、世界のEV船市場は約8%のCAGRで成長しました。EV船(Marine Electric Vehicle)は、再生可能エネルギー(RES)を電気推進力として利用するゼロエミッション型の輸送システムです。化石燃料を使用する船舶に比べて、メンテナンスやランニングコストが少なく、環境に優しいのが特徴です。また、波が少なく、スピードが出て、騒音も少ないことから、野生動物のツアーにも適していると考えられています。さらに、ディーゼルエンジンを搭載した船からハイブリッド電気船へと嗜好が大きく変化していることも、商業用・レジャー用を問わず、EV船の販売にプラスの影響を与えています。

市場の動向

海運需要の増加と環境問題への関心の高まりにより、低公害船やゼロエミッション船(ZEV)へのニーズが高まっています。これは、デジタル化・自動化の進展や化石燃料の枯渇と相まって、EV船市場の成長を促進する重要な要因の一つとなっています。また、可処分所得の増加に伴い、密閉型ヨット、フェリー、ワークボート、パーソナルサブマリン、スキューバ・シー・スクーター、自律型水中ロボット(AUV)などの販売が促進されています。また、旅行・観光業の急成長に伴い、レジャーやレクリエーション活動のために水上ボートの導入が進んでいることも後押ししています。さらに、石油・ガス産業では、沖合での炭化水素採掘、海底の詳細な地図作成、科学的調査のために、電動式無人潜水機(UUV)の導入が進んでいます。UUVには、データを送信する高解像度(HD)カメラが搭載されており、水中環境を効率的に検査することができます。世界のEV船市場は、今後5年間で緩やかな成長を遂げると予想されています。

主要な市場区分

世界のEV船市場は、タイプ、推進力タイプ、アプリケーション、地域に基づいて分類されています。

タイプ別の市場区分

・軍事用

・作業用ボート

・レジャー・観光用水上ボート

・自律型海中ロボット

・その他

推進力タイプ別の市場区分

・バッテリー

・プラグインハイブリッド

・ハイブリッド

アプリケーション別の市場区分

・水上

・水中

地域別の市場区分

北アメリカ

・アメリカ

・カナダ

アジア太平洋地域

・中国

・日本

・インド

・韓国

・オーストラリア

・インドネシア

・その他

ヨーロッパ

・ドイツ

・フランス

・イギリス

・イタリア

・スペイン

・ロシア

・その他

ラテンアメリカ

・ブラジル

・メキシコ

・その他

中近東・アフリカ

市場の競合状況

世界のEV船市場における主要な企業としては、Andaman Boatyard、Boech Motorboote AG、Corvus Energy Ltd.、Duffy Electric Boat Co、Electrovaya Inc、Ruban Bleu、Saft Groupe S.A. (Total SE)、The Boeing Company、Torqeedo GmbH、Triton Submarines LLC、Wärtsilä Oyj Abp.などが挙げられます。

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