抗うつ薬市場、2021年から2026年まで約3%のCAGRで成長見込み
市場の概要
抗うつ薬市場は、2020年に127億米ドルの規模に達しました。今後、2021年から2026年の間、市場は約3%のCAGRで成長すると予想されています。
うつ病は、ポジティブな感情がなく、常に気分が低下し、多数の認知的、身体的、行動的、感情的な症状を特徴とする精神疾患です。うつ病の診断は、症状を把握し、患者の病歴を確認することで行われます。治療には、脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の働きのバランスをとり、患者の気分や感情をコントロールする抗うつ薬を使用します。これらの薬剤は、不安症、季節性情動障害、ジスキミアなどの兆候を和らげるのに役立ちます。
世界保健機関(WHO)によると、うつ病は障害の主要な原因の一つであり、全世界で2億6,400万人以上の人々に影響を与えています。社会不安やうつ病などの精神疾患の増加は、抗うつ薬市場の成長を促す重要な要因の一つです。また、コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者数が急増していることから、人々の間には恐怖、心配、懸念が広がっています。さらに、各国政府が完全閉鎖を実施し、社会的に距離を置くことを推進しているため、かなりの人々の日常生活が変化し、個人の精神的健康に悪影響を与えています。この傾向は、抗うつ薬の売上を押し上げるもう一つの大きな成長要因となっています。さらに、副作用が少なく長期的な効果が期待できる抗うつ薬を開発するための新しい技術が登場し、新しい薬が受け入れられるようになっていることも、今後数年間の市場成長の原動力になると予想されています。
主要な市場区分
世界の抗うつ薬市場は、薬剤クラス、疾患タイプ、薬剤タイプ、流通チャネルなどに基づいて分類されています。
薬剤クラス別の市場構成
・非定型抗精神病薬
・セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)
・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
・中枢神経系(CNS)刺激薬
・三環系抗うつ薬
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・その他
疾患タイプ別の市場構成
・大うつ病性障害
・強迫性障害
・全般性不安障害
・パニック障害
・その他
薬剤タイプ別の市場構成
・ジェネリック医薬品
・ブランド薬
流通チャネル別の市場構成
・病院薬剤師
・小売薬局
・オンライン薬局
・その他
地域別の市場構成
・北アメリカ
・ヨーロッパ
・アジア・パシフィック
・中近東・アフリカ
・ラテンアメリカ
市場の競合状況
世界の抗うつ薬市場における主要な企業としては、大塚製薬、ファイザー、イーライ・リリー・アンド・カンパニー、アストラゼネカ、ノバルティス、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、グラクソ・スミスクライン、武田薬品工業、アラガン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、浙江NHU社、セベラ・ファーマシューティカルズなどが挙げられます。