欧州の歯科材料の市場規模、2026年には11億ユーロに到達予測 COVID19の影響から復活し、今後2年以内のV字回復に期待

欧州の歯科材料市場からの洞察トップ5

欧州の歯科材料の市場規模は2020年には約7億ユーロに達すると推定されています。COVID19パンデミックは歯科業界全体に大きなマイナスの影響を与えましたが、欧州市場は今後2年以内にCOVID以前の数値に戻り、2026年には11億ユーロに達すると予想されています。

欧州の歯科材料市場の将来

1. 歯科用セメントが市場の成長をリード

歯科用セメント市場の成長は、安価で一時的な材料よりも永久セメントに対する需要によるものです。一時的なセメント市場が停滞しているのに対して、永久セメント市場は2026年に向けて5%の成長が期待されています。これは、永久セメントの成長が技術開発などの外部要因の影響を受けていることを示しています。

2. 永久セメント市場を上回るユニバーサル接着剤

ユニバーサル接着剤は、成長の点では永久セメントを超えることが予測されています。 これは、急速に市場が拡大しているというよりは、歯科医がトータルエッチングからセルフエッチングまたはユニバーサルシステムに移行したためです。しかしながら、このような成長は一時的なもので、今後は緩やかに減少すると予想されます。一方で、歯科用セメント市場自体は、今後も確実に成長すると予測されます。

3. 高齢化と美容治療がEU市場を牽引する

歯科市場を牽引する2つの要因は、より多くのクラウンやブリッジなどの修復物を必要とする高齢化人口と、審美歯科治療への後押しです。新たな調査によると、これらの需要が革新的で技術的に進歩した歯科材料の市場を牽引し、平均販売価格(ASP)と市場価値の上昇をもたらすことが期待されています。

4. 樹脂ベースのセメントは顧客により好まれる

耐久性があり、長持ちするソリューションが修復の第一の焦点ですが、患者はより審美性を重視しています。顧客は自然の歯によく似たソリューションを求めており、歯に合ったシェーディング、半透明の材質、さらに、自分の歯に合った自然な色の選択ができる樹脂ベースのセメントが人気を集めています。

見た目の良さ以外では、歯髄組織に刺激性が低く、水分、ストレス、温度、化学物質への耐性があり、密着性が高く、低膜厚であり、長期的な結合を可能にするものが理想的な歯科用セメントとされます。総合的に、良い樹脂ベースのセメントは、溶解性が低く、引張強度と接着強度の面で優れており、正しく使用されている際にはほとんど歯髄組織に刺激を与えることがなく、接合性が高いものです。

5. 市場シェアの50%以上を占めているのは、3MとGC Europe

3Mは、欧州歯科材料市場で引き続き市場リーダーとしての地位を確立しました。樹脂ベースの審美的ソリューションをターゲットにしながら、競合の多い歯科用セメント市場をリードしました。全体的に、同社はあらゆるプラットフォームで競合しており、優れた製品を提供することで知られています。

3Mと競合するGC Europeは、G-CEM™ファミリーのコンポジットレジン製品により、歯科材料市場での成長が期待されています。G-CEM™は自己接着性セメントで、カプセル化された用量と自動混合シリンジのセットで入手できます。欧州全体で、樹脂ベースの製品や革新的なデリバリーフォームの需要が高まる中、GC Europeと3Mは市場での優位性を維持することが期待されています。2020年には、これらの企業が欧州歯科材料市場全体の50%以上のシェアを占めると推測されます。

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