代用骨移植片市場：整形外科用途、2029年に27億米ドル到達見込み

COVID-19で低迷した整形外科用の代用骨移植片（BGS：Bone Graft Substitutes）市場は、2022年に約20億米ドルと評価され、2029年には27億米ドルに達すると予想されています。

整形外科用代用骨移植片に含まれるセグメント

アログラフトBGS（Allografts BGS）

アログラフト骨移植は、患者から骨やその他の組織を採取する必要がないため、手術時間が短縮され、手術費用が削減されます。

脱灰骨マトリックスアログラフトBGS （Demineralized Bone Matrix Allograft BGS）

DBM（Demineralized Bone Matrix）は、標準的なアログラフト骨移植片と同様に、骨の自家採取の必要性を低減または排除することができます。チップ、顆粒、パテなど様々な形態があり、扱いの容易さからパテが最も好まれます。

合成BGS（Synthetic BGS）

合成グラフトは、アログラフトよりも安全性が高いと考えられています。病気感染の心配がなく、異物でないため拒絶反応もありません。また、成長因子による不利な副作用もありません。

整形外科用代用骨移植片市場の将来

整形外科用代用骨移植片の市場規模は、COVID-19の流行による経済活動の急激な縮小により、2020年に大きく落ち込みました。しかし、2022年には、より多くの選択的手術が実施できるようになったため、顕著な回復がみられました。パンデミックの結果、多くの手術が病院以外の環境に移行し、病院は定員割れまたは定員オーバーと極端な状態が続いています。今後、COVID-19による長期的な悪影響は解消されるものと思われます。

2022年、合成骨移植（synthetic bone grafts）は整形外科生体材料として最も大きな割合を占めました。合成BGSは、世界市場における販売数の伸びにより、DBMセグメントを上回っています。合成BGSは、骨折修復のような大量の骨量を必要とする用途ではなく、脊椎手術などで一般的に使用されています。

2027年に向けて、DBMセグメントではキャリアを使用しない製品への移行が進むと予想されます。しかし、これらの製品は依然として高価であるため、参入にあたり障壁となっています。このような状況にもかかわらず、世界の整形外科用代用骨移植片市場は安定した成長を続けると予測されます。メーカー間の競争の激化と病院の統合により、骨移植片の単価が下がることが予想されます。

競合企業

Stryker、Medtronic、DePuy Synthesの3社が市場をリード

Strykerは2022年の整形外科用骨移植片置換術市場で最大シェアを占めました。同社は2011年5月にOrthovitaの買収を完了し、同社の合成製品Vitoss™を獲得しました。Vitoss™と、それに関連するVitoss™ Bioactive代用骨移植片（独自の生物活性添加物を含む）は、Strykerが合成骨移植片市場でトップに躍り出るのに貢献しました。

MedtronicはStrykerに続き、BGS市場第2位の競合として活動しています。これは、脱灰骨移植片市場でトップシェアを獲得したことに加え、急成長する合成骨移植片市場でも好調な業績を上げていることによるものです。さらに、Medtronicの成長因子であるINFUSE®が、同社の代用骨移植片ポートフォリオの需要を牽引しています。

DePuy Synthesは、2022年の整形外科用代用骨移植片市場で第3位のシェアを占めました。これは、脱灰骨移植片セグメントと合成骨移植片セグメントの両方で2位となり、市場での存在感を示したことによるものです。