核酸分離・精製の市場規模、2021年から2028年にCAGR11.4%で拡大見込み

核酸の分離・精製の市場規模は、2020年に41億米ドルとなり、2021年から2028年にかけて年平均成長率(CAGR)11.4%で拡大すると予測されています。市場の成長に寄与する主な要因は、臨床診断におけるシーケンスプラットフォームの採用の増加、ゲノミクスや酵素学に基づく研究の成長、分子生物学や精密医療に関連する研究開発への投資の増加です。

バイオテクノロジー業界におけるさまざまな企業や組織間のコラボレーションの増加は、市場を牽引する要因の一つです。例えば、2020年3月、ザイモ・リサーチ社とテカン社が提携し、COVID-19検体からのDNAまたはRNA抽出を効率化できる、すぐに使える処理製品を発表しました。新しいDreamPrep NAPワークステーションは、検査室が効果的かつ迅速に検査の規模を拡大し、より多くの検査を提供することを支援し、結果的にウイルスの拡散を緩和するのに役立ちます。    

また、個別化医療の進展も、核酸の分離・精製市場の収益を押し上げる重要な要因となっています。がんの腫瘍生検では、次世代シーケンス(NGS)の普及が進んでいます。リキッドバイオプシー(液体生検)は、シンプルで日常的な検査を採用しており、がんを早期に発見することができるため、がん診断の魅力的な選択肢となっています。

がんの早期診断は最大の課題であり、NGSはこの問題に効果的に取り組むことができるため、NGS技術の需要が高まっています。したがって、NGS技術の利用の増加は、核酸の分離・精製技術の採用に直接影響を与えると予想されます。 発がんの分子相関を調べる上で重要と考えられるFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)サンプルは、手間のかかる核酸精製を必要とするうえに、そのようなプロトコルでは核酸が損傷してしまいます。このような問題に対処するため、各社は核酸を効率的に回収するための新しい抽出キットを発売しています。

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