脳インプラントの市場規模、2021年から2028年にCAGR9.1%で拡大見込み

脳インプラントの市場規模は、2020年に46億米ドルとなり、2021年から2028年にかけて年平均成長率(CAGR)9.1%で拡大すると予測されています。パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかんなどの神経疾患の発生率が増加していることに加え、脳インプラントの効果に関する認識が高まっていること、研究成果が良好であることなどが、市場全体の成長を促進する主な要因となっています。

神経疾患の有病率の増加は、市場にとってインパクトの強いドライバーとなっています。例えば、WHOによると、神経疾患は世界の疾病負担の6.3%を占めており、先進国では13.2%、中低所得国では16.8%の死亡率となっており、世界の主要な死亡原因の1つとなっています。このため、脊髄刺激装置や脳深部刺激装置などの長期的なソリューションを取り入れることが臨床的に急務となっています。さらに、ストレスや肥満に起因するうつ病の世界的な有病率は増加の一途をたどっています。米国国立精神衛生研究所(NIHM)によると、2016年、米国では1,620万人の成人が少なくとも1回の大うつ病エピソードを経験しています。脳インプラントは、うつ病の治療ソリューションを提供する上で重要な役割を果たすことが証明されています。そのため、このような疾患の有病率の上昇が、予測期間中の市場成長の原動力になると考えられます。 さらに、世界的な高齢者人口の増加、対象疾患(特にパーキンソン病、てんかん、アルツハイマー病)の発生率の上昇、アンメット・メディカル・ニーズの高さから、脳内インプラントの需要が高まっています。高齢化社会の到来により、パーキンソン病の罹患率が高まっています。パーキンソン病に罹患すると、脳内のドーパミンが十分に放出されなくなり、歩行障害、震え、体のこわばりなどの症状が現れます。CDCによると、パーキンソン病は主に60歳以上の人で診断され、60歳以上の人口の1.0%から80歳までに4.0%が罹患すると予測されています。WHOの2018年の報告によると、60歳以上の年齢層に係る人口は、2015年の9億人から、2050年には約20億人に達すると予想されています。このように、老年層はPDの影響を受けやすく、脳内インプラントの市場を牽引する重要な要因になると考えられます。

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