基地局アンテナの市場規模、2030年に255億8000万米ドル到達予測

基地局アンテナの市場規模は、2023年からCAGR17.2%で成長し、2030年には255億8000万米ドルに達すると予測されています。同市場成長の背景には、高速データ伝送に対する需要の高まりと、5Gなどの新技術の登場によるモバイルネットワーク開発の加速があります。モバイル事業者がネットワークのカバレッジと容量を改善しようとしているため、より高いデータレートを処理し、より多くの接続デバイスに対応できる効率的で信頼性の高い基地局アンテナに対する需要が高まっています。

市場では、マッシブMIMO(Multiple Input Multiple Output)、ビームフォーミング、スマートアンテナなど、先進的なアンテナ技術へのシフトが見られるようになりました。マッシブMIMOは、3Dビームフォーミングによってアンテナのビーム形状を調整し、ターゲットアンテナのカバー範囲内のターゲット端末に無線電力を集中させます。これにより、スペクトル効率とセクタレベルのスループットが効率的に向上します。その高い性能から、マッシブMIMOは5Gの主要技術となっています。マッシブMIMOは、モバイルネットワークが5Gに移行する際、既存のLTE-AおよびLTE-A Proソリューションの100倍のネットワーク容量を与えることが予測されています。

基地局アンテナはまた、5Gネットワークで使用されるミリ波(mmWave)帯などの高度な周波数帯をサポートするように設計されています。これらのアンテナは、高速データ伝送と、これらの周波数帯域で利用可能な広い帯域幅の利用を可能にします。ミリ波帯を含む先進的な周波数帯は、従来の周波数帯よりも大幅に広い帯域幅を提供しています。これにより、より高いデータ伝送速度が可能になり、高解像度ビデオストリーミング、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、没入型ゲーム体験など、超高速データ転送を必要とするアプリケーションを実現することが出来ます。

COVID-19パンデミックの発生は、サプライチェーン機能の混乱により基地局アンテナ市場に影響を与えました。課題はあったものの、パンデミックは信頼性の高い高速接続の重要性を浮き彫りにしました。リモートワーク、オンライン教育、遠隔医療、デジタル活動の増加により、堅牢なネットワークインフラと基地局アンテナの需要が急増しました。より多くのデータトラフィックに対応し、シームレスな接続性を確保する必要性から、ネットワーク事業者は基地局アンテナへの投資を加速させました。

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