建築用断熱材の市場規模、2030年に446億9000万米ドル到達予想

建築用断熱材の市場規模は、2023年からCAGR4.5％で成長し、2030年には446億9000万米ドルに達すると予想されています。全体的なエネルギー消費の低減に焦点を当てた規制が、建築用断熱材の人気上昇の主な要因となっています。断熱材は、建物内の熱の蓄積を抑えることで空調への依存度を下げ、エネルギーコストの削減に貢献します。

都市部の人口増加により、手頃な価格での住宅の入手が難しくなっています。また、中東・アフリカを中心とした、交通渋滞や衛生設備不足に対応して、インフラ整備が進められており、住宅、商業施設、工業施設における断熱材の需要の促進が期待されています。

ミネラルウールは、ドロマイト、ディアベース、玄武岩などの火山岩から製造された、豊富に入手することができる素材です。また、環境に配慮した断熱材の一つとして建築物に広く使われており、エネルギー効率の維持や、防火・音響効果も高い素材です。

壁用断熱用途は、建物の壁の表面積が大きく、製品普及率も高いことから、2022年の需要全体を支配し、今後もこの傾向が続くと思われます。学校、病院、劇場、ショッピングモール、ホテルなどの施設建築物には、多額の出費により高いエネルギー効率基準を維持しています。このように、壁用断熱材は、建物のエネルギー消費基準を維持する上で重要な役割を果たしており、市場の需要にプラスの影響を与えることが予測されます。

建築用断熱材市場の企業は、特性を強化した費用対効果の高い断熱製品を開発することで、製品ポートフォリオの拡大に注力しています。また、製品需要に対応するため、メーカー各社は製造能力の拡充に注力しています。さらに、これらの企業は、市場の変動や技術・地理的変化に対応するために、強力なビジネスモデルを展開しています。

建築用断熱材市場ハイライト

EPS製品セグメントは、2022年のビル用断熱材シェアの31%を占めました。EPSは優れた絶縁強度を示し、化学物質、熱、湿気に対する耐性があるため、建築用電気部品の絶縁に適した材料となっています。発泡プラスチックは、各国政府によるエネルギー効率規制により、建築物の断熱用途で大きな需要が見込まれています。

用途別に、2022年はフローリングセグメントが全体の22％以上を占めました。断熱基準を満たすために、1階の床には強度のある、床材、下敷き、断熱層、下地など多層構造の基礎が必要です。床材に使用される断熱材は、優れた遮熱性とともに高い圧縮強度が要求されます。そのため、XPS（押出発泡スチロール）は床材用途の断熱材として最もよく使われる素材となっています。

断熱材は、住宅、商業施設、オフィス、施設、工業施設など、建築・建設業界で幅広く使用されている重要な部品です。住宅建設分野には、住宅、アパート、複合施設、小規模住宅が含まれます。発展途上国における一戸建て住宅の増加や消費者の可処分所得の増加は、住宅建設活動を促進することが予測されています。したがって、住宅建設部門の成長と建築物のエネルギー消費基準の高まりは、断熱材需要にプラスの影響を与えると予測されます。