ペット旅行サービスの市場規模、2030年に37億3000万米ドル到達予想

ペット旅行サービスの市場規模は、2023年からCAGR9.63%で成長し、2030年には37億3000万米ドルに達すると予想されています。この成長を促進する主な要因としては、ペットの所有率の上昇と、ペットの人間化傾向の高まり、発展途上国における安全な輸送を保証するペット旅行サービスの増加、ペットに優しい観光業の上昇などが挙げられます。ペット旅行サービスの需要を後押しする主な要因は、ホテル、カフェ、公園などの施設において、動物に優しい施設に対する需要が高まっていることです。例えば、英国の旅客・貨物フェリー事業者であるCondorferriesによると、調査対象となったペットペアレンツの約52%が、ペットに優しい宿泊施設にしか泊まらないと回答しています。

世界中のペットペアレンツの半数以上が、ペット同伴で旅行しています。以前は、ペットが家にいて世話ができないことを理由に、長期休暇の旅行を予約することに消極的でした。しかし、観光客の増加や、ペット同伴の交通手段が用意された国の出現により、ペット旅行サービスは近年成長する業界トレンドのひとつとなっています。Condorferriesが発表した記事によると、旅行に動物を同伴するペットオーナーの42%が55歳から64歳であり、ベビーブーマー世代がペット旅行サービスのターゲットになっている可能性が高いことがわかりました。また、米国では毎年約200万匹のペットが民間航空便に搭乗していると推定されており、その数は著しく増加しています。米国では61%のペットオーナーが、飼い犬との国内旅行を楽しむ傾向があると言われています。

COVID-19パンデミックにより、2020年に多数の旅行計画やツアー予約がキャンセルされ、観光分野は打撃を受けました。この影響によりこの年の成長率は低下しましたが、2021年後半には急速に回復しています。ロックダウンは、ペットの飼育率を高めていることは確かです。例えば、Frontiers Media S.A.が2021年5月に発表した記事によると、英国では、パンデミック時にシェルターがほぼ空になるほどペットの養子縁組率が急上昇したことが報告されています。また、飼い主がペットと過ごす時間が長くなり、ペットへの愛着が深まったと言われています。

パンデミック後、人々はコンパニオンアニマルと一緒に休暇を過ごすことへの意欲を高めています。米国ペット用品協会が発表した2021-22年の調査報告書によると、アメリカのペットオーナーの約78%が、毎年ペットとの旅行を好んでいることがわかりました。2003年以降、ペットと一緒に泊まれる宿泊施設が充実したことで、飼い主はペットを連れて長期の海外旅行をすることに関心を持つようになりました。Amazon Services LLCのアソシエイト・プログラムに参加しているFivebarksによると、米国の犬同伴旅行者の約85%が移動手段として自動車を利用しており、10.8%が飛行機を利用していると報告されています。また、同資料では、米国人の約79%が休暇を利用して愛犬と旅行していると報告されています。

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