マイクロモバイルデータセンターの市場規模、2030年に204億4000万米ドル到達予測

マイクロモバイルデータセンターの市場規模は、2022年からCAGR19.3%で成長し、2030年には204億4000万米ドルに達すると予測されています。マイクロモバイルデータセンターの需要は、複数の業界におけるクラウドサービス用途の増加や、コスト効率と低消費電力への注目などの要因から拡大する見通しです。

マイクロモバイルデータセンターは、従来のデータセンターと比較して、低遅延、回復力の向上、標準化、拡張性、データセキュリティの向上、導入時間の短縮、コスト削減など、さまざまな利点があることから人気を集めています。5G技術や人工知能(AI)の登場、IT、防衛、BFSIなどさまざまな分野での技術の採用は、今後の市場成長を促進することが予想されます。

近年、組織や企業では、クラウドベースのサービスやクラウドコンピューティングサービスを採用する傾向が高まっています。クラウドサービスに対する需要の高まりは、市場成長に影響を与える主要な要因となっています。マイクロモバイルデータセンターは携帯性に優れ、エネルギー効率も高いため、通常のデータセンターよりも優れた効率的な運用が可能です。COVID-19のパンデミックは、市場の成長にプラスの影響を与えました。これは、さまざまな業界でデジタルプラットフォーム、クラウドサービス、エッジコンピューティングの需要が増加したためです。

マイクロモバイルデータセンター市場のハイライト

タイプ別に、20RU(ラックユニット)までのセグメントが、今後、著しいCAGRで成長すると予測されます。この成長は、防衛やIT・通信分野において、より少ないラックユニットのデータセンターに対する需要が高まっていることに起因しています。また、最大である20RUのデータセンターは、より大きな施設に対応できる高範囲・大容量といったメリットがあり、今後の市場成長をさらに加速させるものと思われます

業種別に、2021年は、政府・防衛分野が25.0%超のシェアを獲得して市場を支配し、その優位性を維持すると予測されます。マイクロモバイルデータセンターは、ビッグデータセンターと比較してサイズが非常に小さく移動が容易です。そのため、防衛分野で重要な用途を見出すことができます。

地域別に、北米が2021年に40.0%超の最大市場シェアを獲得し、その地位を維持すると予測されています。これは、同地域におけるマイクロモバイルデータセンターの早期設置や、技術的進歩への大規模な投資に起因するものです。欧州は、マイクロモバイルデータセンターの主要市場の1つです。IT・通信、ヘルスケア、石油・ガス、防衛などの業界では、マイクロモバイルデータセンターを業務に取り入れる動きが活発化しています。

市場関係者は、多くの顧客基盤を獲得するために、さまざまな地域で革新的なソリューションを導入しています。例えば、2022年6月、Schneider Electricは、欧州の顧客向けにオールインワンのモジュール型データセンターソリューションを発表しました。同社の「オールインワン」データセンターは、冷却、電力、ITデバイスをすべて1つの構成済みソリューションに統合し、ベンチャー企業やIT組織に価値を提供するものです。

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