アトピー性皮膚炎治療薬の市場規模、2030年に276億8000万米ドル到達予測

アトピー性皮膚炎(AD)治療薬の市場規模は、2022年からCAGR9.0%で成長し、2030年には276億8000万米ドルに達すると予測されています。同市場は、アトピー性皮膚炎の有病率の上昇、認知度の向上、治療に対する高い需要などの要因による成長が予想されます。さらに、製品の継続的な発売は、市場シェアを獲得し、優位性を維持する戦略となっています。

高い有効性を持つ副作用の少ないパイプラインの製品数が増加していることも、市場を牽引する要因として期待されています。例えば、アトピー性皮膚炎を適応症とする新薬は、2020年から2029年の間に、11品目が世界市場で上市されると予想されています。これには、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤、ホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)、インターロイキン-4および13(IL-4/13)など薬物クラスが含まれます。また、新薬の発売により、重症および中等症のAD患者の生活の質の向上と治療の選択肢が広がる事を目指します。

さらに、早期審査指定など、規制当局からの支援により、ADの研究開発が促進されることが期待されています。例えば、Demira社のレブリキズマブは、ファストトラック指定を受けました。さらに、2020年10月には、Forte Biosciences社の医薬品FB-401がFDAからファストトラック指定を受けました。企業の研究開発への関心の高まりは、市場の成長を促進しています。

アトピー性皮膚炎の新規治療法の研究開発に対する資金提供の増加と、政府の積極的な取り組みが、地域の成長を後押ししています。官民協会間のコラボレーションは、世界中で消費者の意識を高めることが予想されます。例えば、2022年6月に大塚製薬株式会社(Otsuka Pharmaceutical Co. (大塚ホールディングス株式会社)は、AD治療薬「モイゼルト軟膏」(ジファミラスト)の日本での発売を発表しました。本剤は、非ステロイド系の外用ホスホジエステラーゼ4型阻害剤です。

日本では、日本皮膚科学会がADのガイドラインを作成しています。このガイドラインは2020年に改訂され、診断基準だけでなく、治療法も明記されました。例えば、炎症に関連するADは、副腎皮質ステロイド外用薬やタクロリムスを用いて治療します。これにより、計画的な治療が容易になり、治療効果の向上が期待されます。

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