動物用医療におけるモノクローナル抗体の市場規模、2030年に26億7000万米ドル到達予測
動物用医療におけるモノクローナル抗体の市場規模は、2022年からCAGR16.7%で成長し、2030年には26億7000万米ドルに達すると予測されています。ペット人口の増加とペットへの支出増が相まって、市場成長を押し上げることが予想されます。さらに、犬のアトピー性皮膚炎の有病率の増加も、市場を促進する可能性があります。
COVID-19パンデミックによる混乱にもかかわらず、動物医療業界は2019年から2020年にかけて8%の安定した成長を目撃しました。動物用医薬品は、他の業界と比較して景気悪化の度合いが比較的軽い市場です。従来の獣医は、医薬品のような利益率の高い製品を販売することで収益の大半を稼いでいます。
特に犬における癌の発生率の増加は、市場に成長基盤を提供すると予想されます。米国獣医師会(AVMA)によると、犬の約4分の1が生涯のある時点でネオプラジアに罹患すると予想されています。ネオプラジアとは、犬でよく見られるがんの一種です。犬のネオプラジアの治療において、痛みの管理は最も重要な要素です。この点についても、モノクローナル抗体治療で対応することができます。
市場は非常に競争が激しく、いくつかの主要なプレーヤーで構成されています。市場に巨大な機会が出現したことで、様々なプレーヤーがリーディングプレーヤーとして浮上するための投資を行っています。例えば、2021年10月、Zoetis社は、モノクローナル抗体(mAbs)の生産能力を高めるため、アイルランドの新しい製造・開発施設に投資を行いました。これにより、同社の動物用治療バイオ医薬品のポートフォリオが強化されることが予想されます。さらに、2021年8月、ElancoはKindred Biosciencesを約4億4400万米ドルで買収しました。これは、同社の皮膚科市場へのアクセスをサポートし、製品パイプラインを補完し、生物製剤およびモノクローナル抗体の研究開発能力を強化するものです。
動物用医療におけるモノクローナル抗体の市場ハイライト
動物種別に、ペットとしての犬の飼育が進んでいることから、2021年の市場は犬セグメントがシェアを占めました。
用途別に、犬のアトピー性皮膚炎が増加していることから、皮膚科セグメントが55%以上の最大シェアを占めると予想されています。
動物病院における高度な治療設備が整っていることから、動物病院向けセグメントが圧倒的なシェアを占めると思われます。
主要なプレーヤーが存在するため、北米地域が44%の最大シェアを占めると予想されます。