感染症用体外診断薬の市場規模、2030年に566億米ドル到達予測

感染症用体外診断薬の市場規模は、2022年から-7.4%で移行し、2030年に566億米ドルとなることが予測されています。結核やCOVID-19などの感染症の有病率の上昇と技術の進歩が、今後数年間は製品需要を促進することが予測されています。多剤耐性感染症の増加により、感染症の早期診断が強化されています。例えば、MDR感染症はICU患者に多く、2021年のMicrobial Drug Resistance Journalによると、重症のSARS-CoV-2患者におけるMDR感染症の有病率は14%から50%の間であったとされています。

感染症診断前の診断と抗生物質による治療の遅れは、薬剤耐性菌の蔓延をさらにエスカレートさせ、市場成長に有利な機会を作り出しています。市場では、消費者の需要に応えるため、相当数の製品の上市が行われています。例えば、2022年5月、BDは米国で感染症用自動診断プラットフォームを発表しました。このシステムは1700検体の搭載が可能で、その選別の必要性もなくエラーが減少します。競合間で提供される製品は、戦略的な価格設定により、競争力を高めています。

しかし、POC検査とラボ検査の感度や考え方の違いから、消費者が選択を迫られた場合、購買行動はさらに複雑になります。業界は寡占状態にあり、Hoffmann-La Roche Ltd.、Alere、bioMerieux、BDなどの企業がシェアの大半を占めています。各国の業界は価格に敏感で、費用対効果の高い効率的な製品の製造という点で、プレイヤー間の厳しい競争を生みだしています。新規バイオマーカーキットの発売が見込まれることから、2030年までの間、競争は激化すると考えられます。競合他社は、より高い市場シェアを獲得するために、製品の発売や啓蒙活動の実施などの戦略を行っています。

感染症体外診断薬市場のハイライト

試薬製品セグメントは、検査での大量使用により、2021年に最大収益シェアを占めました。

分子診断薬セグメントは、製品上市数の増加や、高精度な製品の採用増加により、2021年に最大シェアを占めました。

用途別に、COVID-19分野が、ウイルスの蔓延を抑えるための検査への支出の多さから、2021年の市場を席巻しました。

中央研究所セグメントは、PoCや家庭での検査と比較して信頼性が高く、その精度の高さから、2021年に最高の収益シェアを占めました。

北米は、良好な規制の枠組み、予防および早期検査への注力、地域における新規診断薬の高い採用率により、2021年の市場を支配しました。

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