敗血症診断の市場規模、2030年に14億米ドル到達予測

敗血症診断の市場規模は、CAGR9.6%で成長し、2030年には14億米ドルに達すると予測されています。敗血症の高い有病率、高度な診断システムの導入、政府の取り組みが、今後の市場成長を促進すると予想されます。敗血症は、血液中に存在する病原性微生物に起因した血流疾患です。この疾患を患う患者は、重度の炎症を経験し入院が長期化します。

WHOによると、毎年約3,000万人がこの病気に罹患していると推定されています。NCBIは、この病気は若年層と高齢者層で最も多く観察され、早期診断の必要性が高まっていると報告しています。WHOによると、毎年、世界中で120万人の子供と300万人の新生児がこの病気に罹患していると言われています。このため、迅速な診断結果と患者の予後改善のために、診断ツールの需要が高まっています。規制当局の承認と敗血症のための技術的に高度な診断ソリューションの導入は、今後、市場成長を促進すると思われます。

2018年5月、米国を拠点とする新興診断ソリューション企業であるT2 Biosystems, Inc.は、ヒト全血検体における特定の敗血症の原因となる細菌病原体の検出を目的としたT2Bacteria Panelの米国FDA承認を取得しました。COVID-19の大流行は、敗血症の診断薬製品の成長に緩やかなプラスの影響を及ぼしました。コロナウイルスの世界的な広がりと、その患者の敗血症の発生は、迅速な検出に対する関心を拡大し、敗血症の認識のための機器、試薬、アッセイキットの使用を加速させると思われます。パンデミックによる閉鎖やその他の制限により、健康診断の受診が遅れ、検査の実施件数や試薬の取引量が減少しています。

パンデミックは、肺炎による激しい呼吸困難などの危険に高齢者をさらし、敗血症を引き起こすリスクを高めています。このため、COVID-19の患者の間で、敗血症を早期に発見する必要性が生じています。Global Sepsis Allianceの推計によると、入院後8~10日目のCOVID-19患者の2.0~5.0%に、多臓器損傷などの敗血症の症状が見られます。この状況を管理するために、バイオメディカル先端研究開発機構は2020年5月、COVID-19患者の敗血症を検出するデジタルアルゴリズムの開発に関しBeckman Coulterとの提携を延長しました。

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