医療用食品の市場規模、2022年から2030年にかけてCAGR5.2%で成長予測

医療用食品の市場規模は、2021年に212億米ドルとなり、2022年から2030年にかけてCAGR5.2%で成長すると予測されています。伝染性および非伝染性疾患の有病率の増加と、それらの疾患に向けた食事管理の増加が、今後、市場の成長を促進すると予想されます。例えば、リエージュ大学が発表した研究データによると、欧州では、サルコペニア(加齢による筋肉量の減少および筋力の低下)人口が2016年の11.1%から2045年には12.9%に増加すると推定されています。

認知症、脳卒中、多発性硬化症、嚥下障害などの慢性・神経因性疾患を抱える高齢者の増加に伴い、特定の食事管理が必要となっており、今後数年間の市場を牽引すると予想されています。例えば、WHOによると、世界の60歳以上の人口は、2015年から2050年の間に、12%から22%へと倍増すると予想されています。さらに、肥満、糖尿病、その他の栄養疾患などの慢性疾患を管理するために、特定の食品を摂取する傾向が強まっていることも、医療用食品の導入を促進すると予想されます。

メーカーによる製品発売活動の活発化や、製品開発における絶え間ないイノベーションは、製品需要を促進する主な要因です。その上、新しい遺伝性代謝疾患を治療し、その難病の状態を管理するために、特別な医療目的を持つ食品開発に対する需要が高まっています。

例えば、2020年10月、Nestle Health Science社は、タンパク質をベースにした特別医療目的のすぐに飲める栄養食品(FSMP)を中国で発売しました。その飲料の主成分は、水溶性の高い食物繊維であるガラクトマンナンで、胃腸の不耐性や下痢を改善および予防することができます。また、2018年6月には、VAYA Pharma, Inc.がエクストラストレングス処方の「Vayarin Plus」を発売し、体重97ポンド以上のADHD成人および青年期における臨床的な食事管理を提供するメディカルフード製品を拡充しました。

また、糖尿病性神経障害や糖尿病の管理および制御のために、医療用食品を検討するケースが増えており、市場の成長を加速させると予想されます。糖尿病は主要な慢性疾患の一つであり、その有病率は絶えず上昇しています。2019年に発表されたWHOのデータによると、糖尿病が直接の原因となる死亡者数は約150万人で、死亡原因の第9位とされています。不健康なライフスタイルと食生活は、糖尿病性神経障害の主要な原因であり、医療用食品はこれらの種類の障害を改善し、管理するための救済策として機能します。例えば、2019年の国際糖尿病連盟のデータによると、約4億6300万人の成人が糖尿病を患っており、この数は2045年までに7億人に増加すると言われています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]