ヘルスケア産業向けSaaSの市場規模、2021年から2028年にかけてCAGR19.5%で成長予測

ヘルスケア産業向けSaaS (Software As A Service)の市場規模は、2020年に125億米ドルとなり、2021年から2028年にかけてCAGR19.5%で成長すると予測されています。クラウド技術の採用や、医療のデジタル化が進んでいることが、今後のヘルスケア産業向けSaaS市場の成長を促すパラメータとなっています。ソフトウェアサービス企業であるRight Scale社が2019年に発表したレポートによると、企業の94%がクラウドを利用しており、クラウドの導入を計画している企業が21%存在することが示されています。

ヘルスケア企業がSaaSを採用する理由は、コストメリット、セキュリティ、使いやすさ、統合のしやすさ、カスタマーサポート、管理・運営機能の強化、アップタイムの保証、スケーラビリティ、カスタマイズ性、データセンターのインフラ、ディザスタリカバリプラン、レポーティングなどが挙げられます。SaaSは、ウェブサイト、電子メール、コミュニケーション、モバイルサービス、顧客関係管理、生産性アプリケーション、ERP、データ分析、文書管理、データベースサーバーなど、さまざまな用途に利用されています。

ヘルスケア分野におけるデジタル化は急速な成長を遂げています。さらに、COVID-19パンデミックがデジタル化を加速させています。医療機関は、労働力やリソースの不足など、複数の課題に直面しており、これらの課題を克服し、投資収益率を高めるために、パンデミック中にデジタルプラットフォームの導入を開始しました。健康クラウド企業であるInnovaccer Inc.が発表した調査結果によると、2021年には49%の医療機関がデジタルトランスフォーメーションに向けて積極的に取り組んでいると言われています。

医療機関の目標は、回答者の39%が遠隔医療サービスの提供、回答者の30%がケアマネジメントの自動化、回答者の20%がケアパスウェイとコーディネーションステップの自動化、回答者の11%がトリアージとリスク評価機能の強化でした。さらに、臨床運用の改善、データプラットフォームの近代化、異種システムの統合、IT支出の合理化が組織の最優先課題となっていました。このように、高度なデジタル設備の導入やアップグレードの計画が増加していることが、市場の成長を促進すると考えられます。

また、遠隔医療、ウェアラブルデバイス、モバイルアプリケーション、遠隔患者モニタリング、ERP、CRMなどの導入が進み、患者データが急増していることも市場の成長に寄与しています。国際電気通信連合の報告書によると、2030年には121億人がスマートフォンを持つようになると推定されています。2020年にJournal of Medical Internet Researchが発表した論文によると、米国の成人の30%がウェアラブルデバイスを定期的に使用しているとのことです。2017年に欧州委員会が発表した調査によると、欧州の医師の96%がEHRを使用しています。これらのパラメータはすべて、SaaSの採用に貢献しています。

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