保存料の市場規模、2020年から2028年にかけてCAGR5.1%で成長予測

保存料の市場規模は、2020年に54億3,000万米ドルとなり、2020年から2028年にかけてCAGR5.1%で成長すると予測されています。長持ちする食品への需要の高まりと、医薬品や化粧品の品質や安全性への懸念が、防腐剤の需要を高めています。世界中で急速に進む都市化と労働人口の増加により、コンビニエンスフードの需要が高まっています。このような需要を受けて、食品加工会社は、品質を落とさずに保存期間を延ばすために、製品に保存料を添加するようになりました。

高齢化社会の進展に伴う化粧品需要の高まりが、製品需要の主な要因となっています。化粧品メーカーは、化粧品の信頼性を維持するために防腐剤の使用を増やしており、その需要は増加すると予想されます。2020年の北米市場では、米国が市場を席巻しています。これは、主要メーカーが米国に強固な基盤を持ち、アプリケーション産業が確立されているためです。人々の多忙なライフスタイルにより、包装食品への依存度が高まっていることが、高い市場シェアの主な要因となっています。

また、家畜の病気の流行により、消費者は肉の品質に不安を感じています。飼料メーカーは、消費者に高品質の肉を提供するために、天然成分を含む飼料の開発に力を入れています。これにより、天然の防腐剤の導入が促進され、市場の成長が期待されています。COVID-19パンデミックの初期段階では、包装された食品のパニック購入や買いだめが行われましたが、これは食品保存料メーカーにとって有益なことでした。

パンデミックにより、汚染されていないと判断されたパッケージ食品が重要視され、食品保存料市場に利益をもたらしました。また、パンデミックの影響で、政府が実施した自宅待機令の一環として、農家が飼料を買いだめしました。これにより、パンデミックの初期段階では、防腐剤などの動物飼料用添加物の需要が急増しました。

タイプ別の考察

2020年は、合成タイプのセグメントが84.0%の売上シェアを占めました。合成タイプの防腐剤は、カビや酵母の成長を抑制する効果があり、費用対効果が高いことがセグメント成長の主な要因となっています。プロピオン酸塩は、有害な合成保存料に取って代わるものとして、世界的に使用量の増加が見込まれています。Niacet Corp.やBASF SEなどのメーカーは、プロピオン酸カルシウムやプロピオン酸ナトリウムの生産量を増やすことで、食品、飼料、医薬品用途での需要増に対応しようとしています。様々な用途で天然物が使用されるようになったことで、世界的に従来の天然食品保存料の需要が増加しています。

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