米国の遠隔医療の市場規模、2022年から2028年にかけてCAGR44.4%で拡大予測

米国の遠隔医療の市場規模は、2021年に235億米ドルに達し、2022年から2028年にかけてCAGR44.4%で拡大することが予測されています。米国で、医療専門家やプライマリーケアの医師が不足していることが、市場成長を加速させる大きな要因の一つと考えられます。例えば、AAMC(Association of American Medical Colleges)の推計によると、プライマリーケアと専門家ケアの両方の医師が、2034年までに3万7,800人から12万4,000人不足するとされています。

米国政府によるデジタルヘルスやバーチャルケアへの大規模な投資も、市場の成長を後押しすると予想されています。また、米国では古くから医療サービスの遠隔提供が行われており、1960年にNASAが米国で遠隔医療を確立し、その発展に重要な役割を果たしてきました。現在、米国の約76%の病院が、何らかの形で遠隔医療を利用して患者の治療に貢献しています。

近年、バーチャルヘルスケアは、人々にタイムリーな治療と臨床評価を提供することで、健康の公平性を向上させる上で重要な役割を果たしています。2021年8月、バイデン政権は、米国保健社会福祉省(HHS)の保健資源サービス局(HRSA)を通じ、米国における遠隔医療サービスと農村部の健康を強化するために、1,900万米ドルを超える投資を行いました。

COVID-19パンデミックでは、バーチャルな医療サービスの重要性が示され、医師不足に対処するため、米国での遠隔医療市場が急拡大しました。COVID-19の感染率の高さ、医療へのアクセスの困難さ、パンデミックにおける国家的緊急事態など、いくつかの条件により、米国では政府機関による投資が増加しています。

製品タイプ別の考察

2021年は、サービスセグメントが、45.0%以上の収益シェアを獲得し、市場を支配しています。デジタルヘルスケアインフラの急速な進歩と相まって、遠隔医療サービスの需要が高まっていることが、今後数年間にわたってサービスセグメントを牽引すると予想されます。さらに、COVID-19感染症の急増、社会的な距離の保持、感染への不安などが、その成長を加速させると予想されます。患者の遠隔監視サービスは、患者と医師間のリアルタイムの対話を可能にし、手頃な価格で臨床結果を得ることができます。

米国では、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなどのデバイスへのアクセスが高く、インターネットへのアクセスも高いため、遠隔医療サービスの成長には有利に働きます。例えば、2020年10月に米国疾病対策予防センター(CDC)が発表した報告書によると、需要の増加と高い導入率により、2020年3月の遠隔医療の受診者数は2019年3月に比べて154%増加しています。

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