心調律管理(CRM)装置の市場規模、2022年から2030年にかけてCAGR6.5%で成長予測

心調律管理(CRM)装置の市場規模は、2021年に181億米ドルに達し、2022年から2030年にかけてCAGR6.5%で成長すると予測されています。不整脈や心房細動など、心血管疾患の有病率の増加が、市場成長を牽引しています。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では2030年までに約1,210万人が心房細動(AFib)に罹患すると予想されており、同市場に関連する技術的進歩が、市場の成長を促進しています。

COVID-19パンデミックは、心調律管理装置の市場を含むすべての産業に影響を与えました。心臓血管系の手術が延期されたことにより、市場関係者は心調律管理部門で莫大な損失を被りました。例えば、Medtronic社は、2020年の心調律管理装置セグメントにおいて、2019年と比較して12%の減少を経験しました。この減少はICD、CRT-D、ペースメーカーのセグメントでも発生しています。その後、2021年には、年間収益と同時に、心調律管理・心不全セグメントの収益も回復しており、2020年から2021年にかけて同社の総売上は、4.16%上昇しました。

同様の傾向は、競合の市場プレーヤーの財務状況にも見られ、当初はマイナスの影響を受けた心調律管理装置市場は、2021年には回復に転じています。身体活動の低下は、心疾患や糖尿病などの慢性疾患の罹患と発症につながります。WHOによると、身体活動の低下や座りっぱなしの生活は、年間約200万人の死亡につながると報告されています。また、先進国、途上国を問わず、世の中の60〜85%の人が座りがちな生活を送っていると考えられます。

カナダ、米国、英国などの国々では、有利な償還政策により、患者の医療装置の導入が進んでおり、市場への浸透が広がっています。さらに、政府の取り組みや、新しいCRM技術の採用が、今後の成長を後押しすると考えられます。例えば、公共の場での体外式除細動器の使用に関する規制では、カリフォルニア州では、2018年の新法により、学校や公共のスイミングプールなどへのAED(自動体外式除細動器)の設置が義務付けられています。平均寿命の延びや高度な技術の利用が可能になったことから、CRM装置の導入はここ数年で増加しています。

心臓病は、ここ近年の主要な死亡原因となっています。世界保健機関(WHO)の推計によると、毎年、心血管疾患(CVD)による死亡者数は約1,790万人に上ります。心血管疾患は、症状が現れるのが遅いため、一般的に「沈黙の流行病」と呼ばれています。また、心血管疾患は、治療費が最も高い疾患の一つと言われています。CRMデバイスは、心臓の問題を管理・監視するためだけでなく、心臓の活動を修復・回復・治癒するためにも使用されており、今後もCRMの導入の進展が期待されています。

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