除細動器の市場規模、2022年から2030年にかけてCAGR7.0%で成長予測

除細動器の市場規模は、2021年に113億5,000万米ドルに達し、2022年から2030年にかけてCAGR7.0%で成長すると予測されています。製品開発の増加、突然の心停止の発生率の上昇、一般市民の意識の高まり、政府や医療機関による支援活動などが、市場の成長を促進する要因となっています。2021年5月、オーストラリアの企業であるRapid Response Revival Research Ltd.では、世界初の家庭用パーソナルAEDであるCellAEDがCEマークを取得し、これが同社の成長戦略を支える結果となりました。

COVID-19パンデミック市場は、特にICD(植込み型除細動器)市場では2020年に需要と売上が減少しました。病院が選択的手術を再開したことで、売上は改善しましたが、主要市場におけるCOVID-19の進行は、この1年間、引き続き不確実性をもたらしました。例えば、Abbott社は、2020年第2四半期および第3四半期に病院向け事業の改善を報告したものの、第4四半期には、多くの国でCOVID-19の症例や入院が急激に増加したため、改善傾向は横ばいまたはマイナスの影響を受けました。一方、日本光電工業は、パンデミックの影響で販売活動が抑制されたものの、2020年の除細動器の売上は堅調に伸びました。

突然の心停止による死亡は、予防と治療の発展にもかかわらず、心血管疾患による死亡者数の約半分を占めています。このため、ICDと体外式除細動器の両方の需要が増加すると同時に、市場における技術革新が促進されることが予想されます。例えば、Ami Italiaは、Saver Oneシリーズ、Geo Saverシリーズ、Smarty Saverシリーズなどの除細動器を製造しており、中でもSmartyシリーズは、救急車、救命救急センター、公共の場、民間の場など様々な場面で、医療関係者や非医療関係者が使用することができます。一方、Microport社は、中国の心拍管理市場のリーダー的存在で、幅広いポートフォリオと堅牢な製品パイプラインにより、中国市場における2021年上半期の売上高は95%の成長を記録しました。

発展途上国における心血管イベントに対する意識の高まりも、市場の重要な牽引要因となっています。UAEでは、除細動器の数と使用率が著しく低い一方で、現地販売代理店の存在や、心臓の健康に関する意識向上のための取り組みは、今後数年間の市場成長に寄与すると考えられます。2019年9月、ドバイ救急サービス公社(DCAS)は、ボランティアのトレーニングに加えて、市内の礼拝所や民間・政府機関などに80台のAEDを寄贈することを発表しました。これは、「My City Saves Me」キャンペーンの一環で、DCASの「Help Me」アプリを通じて、訓練を受けたボランティアのプールを作り、繋げることを目的としています。アラブ首長国連邦では、Defibrillator Dubai、Gulf AED、AED Dubai、Atlas Medical Groupなどの大手販売会社が活動しています。

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