体圧分散マットレスの市場規模、2021年から2028年にかけてCAGR5.0%で成長予測
体圧分散マットレスの市場規模は、2020年に16億6,000万米ドルに達し、2021年から2028年にかけてCAGR5.0%で成長すると予測されています。同市場の成長は、褥瘡の増加と医療施設への多額の投資に起因しており、各国の高齢者人口の増加も市場の成長を支えています。2020年には、多くの患者が入院したことにより、市場はプラスの成長を遂げました。また、病院だけでなく、COVID-19患者の自宅での隔離が、これらのマットレスの需要の拡大を生み出しました。体圧分散マットレスの需要は、COVID-19への免疫力の低い高齢者層の影響を大きく受けています。
褥瘡は、皮膚の局所的な損傷であり、下層の組織へ影響が及ぶ場合とそうでない場合があります。褥瘡は、褥瘡性潰瘍、床ずれなどとしても知られており、原因となる圧迫の緩和には、様々なタイプの支持機構が用いられます。中でも、マットレスは主要な支持体の一つであり、使われている素材、アクティブ、リアクティブ、ハイブリッドなどの機能する理論、動力式か非動力式かによって分類されます。体圧分散マットレスを理解するためには、褥瘡のグレードを考慮する必要があります。(グレード1:皮膚の発赤、グレード2:水疱、グレード3:基礎組織の損傷、グレード4:基礎組織と皮膚が筋肉、骨、関節、腱とともに損傷)
世界各国の経済圏では、インフラ整備に十分な措置が講じられており、ヘルスケア分野は重要な開発分野の一つです。インドや中国などでは、ヘルスケア分野への外国直接投資(FDI)の門戸が開かれており、複数の企業がこれらの地域での施設の展開を計画しています。その結果、病院数が増加し、体圧分散マットレスの需要が高まっています。褥瘡は、適切な管理とケアによって治療・予防することができ、近年、消費者の意識向上のために様々な関連キャンペーンが行われています。
タイプ別の考察
2020年は、空気充填式マットレスが55.0%以上の収益シェアで市場を支配しました。このセグメントは、収益面でも最速のCAGRで拡大すると予想されています。空気充填式マットレスは、褥瘡予防のために最も使用されているマットレスの一つで、通常、交互に配置されたセルがあり、圧力が広い範囲に分散されることで、体の各部位をマットレス全体で支えることができます。交互セルを備えた圧力緩和マットレスは、一般的にグレード3とグレード4の潰瘍に推奨されます。各国政府は圧迫傷害の問題を重要視して、病院の質を向上させようとしています。Bruin Biometrics LLC(医療技術会社)のCEOによると、米国では毎年250万人以上の人が圧迫傷害や褥瘡を患っていると言われています。空気充填式マットレスによるこの問題の解決が期待されています。