使い捨て気管支鏡の市場規模、2022年から2028年にかけてCAGR13.4%で成長予測

使い捨て気管支鏡の市場規模は、2021年には5億640万米ドルとなり、2022年から2028年にかけてCAGR13.4%で成長すると予測されています。診断や治療を目的とした従来の開腹手術から低侵襲手術への移行が、市場の成長を促進しています。さらに、肺がんの発生率の増加、局所生検の需要、高齢者人口の増加、気管支内視鏡機器分野における技術の進歩などが市場の成長を後押ししています。また、肺がん、腫瘍性気道狭窄症、肺炎、気管支炎、肺感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患の高い罹患率が、肺の組織標本を入手して、気道の異常を観察するための製品の需要を牽引しています。

世界保健機関(WHO)によると、年間330万人がCOPDに罹患しています。さらに、米国がん協会の推計によると、2018年には米国で23万5,070件の肺がんが新たに検出されており、その検出・治療のための生検用気管支鏡の需要が高まっています。

また、Cancer Research U.K.によると、年間4万7,800人の新規肺がん患者が診断されています。World Cancer Research Fund Internationalによると、発展途上国の肺がん患者は症例の58.7%を占めています。この高い罹患率は、今後、製品需要を押し上げる要因になることが予想されます。医療従事者は、呼吸器系疾患の診断や治療において、最小限の介入で回復時間を短縮でき、同時に感染を防ぐためにも使い捨ての気管支鏡の採用を進めています。さらに、非癌性疾患に対する内視鏡治療の効果に焦点を当てた研究イニシアティブの増加も、同市場の成長を後押ししています。

さらに、世界的な高齢者人口の増加が市場の成長を後押しすると考えられます。Administration on Aging(AoA)によると、2019年には米国の人口の16%が65歳以上の高齢者であり、2040年には21.6%に達すると予想されています。Boston Scientific社は、2021年8月に、気管支鏡につきものの感染症のリスクを排除した、使い捨ての気管支鏡の米国FDA認可を取得しました。

患者の満足度の向上、経済性の向上、入院期間の短縮、手術後の合併症の減少などのメリットにより、低侵襲手術への関心が高まっています。気管支内視鏡を使用する際の感染や汚染のリスクは、使い捨て気管支鏡市場に成長機会をもたらしています。COVID-19状況下での気管支内視鏡検査は、患者に酸素を供給するための高気圧治療や、医療従事者と患者の接触、大量の飛沫やエアロゾルの発生、検査室の機器や人員の汚染など、高い感染リスクが伴います。しかし、呼吸器疾患の診断・治療には欠かせない重要な検査であることに変わりはなく、延期することはできません。

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