外科的括約筋形成術の市場規模、2021年から2028年にかけてCAGR6.6%で成長予測

外科的括約筋形成術の市場規模は、2020年に13億米ドルと評価され、2021年から2028年にかけてCAGR6.6%で成長すると予測されています。肛門失禁(AI)の有病率の増加、括約筋形成術の費用対効果、出産後の産科的損傷の発生率の上昇などが市場を牽引する主な要因となっています。米国国立糖尿病・消化器・腎臓疾患研究所によると、肛門失禁は、3人に1人が罹患する慢性疾患です。さらに、地域社会で生活する女性の約15%、老人ホームに入所している女性の半数が罹患していると言われています。年齢、産科的外傷、骨盤内手術、慢性的な下痢、肥満、糖尿病や脳卒中など、他の病気を原因として、肛門失禁のリスクは高まります。

肛門失禁は、長時間の経膣分娩により内括約筋と外括約筋の両方が部分的に前方に破壊されるため、女性に多く見られます。このような状況では、括約筋の修復が最も効果的な治療法であると考えられます。臀部形成術、刺激性臀部形成術、括約筋形成術などの外科的処置で治療することができます。他にも、脛骨神経刺激やInterSIMなどの仙骨神経刺激、ソレスタなどの生体適合性バルキング剤の使用、膣バルーン挿入、人工腸括約筋などの非手術的な治療法があります。しかし、括約筋形成術(SP)は、成功率が高く、費用対効果が高く、再手術の必要性が低いことから、女性や高齢者に多く採用されています。

研究によると、仙骨の神経調節、肛門の囲い込み、バルキング剤を使った治療には2万ドルもの費用がかかるのに対し、括約筋形成術は2000ドル程度で済むと言われています。先進国では、肛門失禁を治療するための非侵襲的な方法を確立するために多くの研究が行われており、これが外科的括約筋形成術の市場を牽引すると予想されます。しかし残念ながら、2020年にCOVID-19パンデミックが発生したことで、先進国での臨床研究が停止しました。さらに、患者の間でのウイルス拡散の恐れから、選択的手術の減少や病院での入院率の低下が生じ、最終的に2020年の市場に影響を与えました。物流の停止による手術用品の減少や、病院のケアスタッフの不足などが、外科的括約筋形成術の市場の低下につながっています。しかし、2022年半ばには着実に回復すると言われています。

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