米国の臨床試験の市場規模、2021年から2028年にかけてCAGR5.3%で成長予測

米国の臨床試験の市場規模は、2020年に214億米ドルとなり、2021年から2028年にかけてCAGR5.3%で成長すると予測されています。同市場は、研究開発活動の活発化、ワクチン試験の増加、個別化医療の必要性、新技術活用の増加などに牽引されています。また、製薬会社と臨床研究機関やバイオテクノロジー企業との連携も、市場の成長を促進すると考えられます。COVID-19パンデミックは、臨床試験の市場に大きな負担をかけています。他の疾患に対する新たな試験の取り組みが中止に追い込まれ、リソースはCOVID-19関連に振り向けることになりました。さらに、国境が閉鎖されているため、臨床試験サンプルのサプライチェーンが混乱しています。同市場の混乱によるCOVID-19への対応は市場に新たな進歩をもたらし、臨床試験の実施に変化をもたらしました。その中の一つが、バーチャルな臨床試験の利用です。

バーチャル試験は、現在のCOVID-19シナリオにおいて非常に重要な役割を担っています。これは、仮想的な訪問と遠隔地での患者モニタリングであり、参加者に選択権とリスク回避のための安心感を与えるものです。モニタリング機器、ソフトウェアアプリ、携帯電話の助けを借りて、参加者が自宅で試験を受けることができます。

このような手法を用いれば、多くの人々を試験の対象とすることができ、試験、エンゲージメント、リクルート、リテンションの向上につながります。バーチャル・トライアルは、被験者、治験責任医師、臨床研究コーディネーターの労力、時間、負担を大幅に軽減します。そのため、市場にとって非常に効率的なアプローチとなっています。

フェーズに関する考察

2020年の市場は、第3相セグメントがリードしており、53%以上の最大の収益シェアを占めています。これは、第3相臨床試験が、300人から3000人の被験者を対象とし、治療期間も長いため、最も重要であるという事実が影響しています。そのため、最も費用がかかるフェーズでもあります。

次に費用がかかるのは第2相セグメントです。2020年には高い売上シェアを占め、2021年から2028年にかけて最速のCAGRで拡大すると予測されています。フェーズIIは、有効性試験において非常に重要な役割を果たし、また投与量の最終決定もこのフェーズで行われます。2016年のプロジェクト数は、フェーズII試験が最も多く、産業界および非産業界のスポンサーによる研究開発への投資が増加しているため、この傾向は今後も続くと考えられます。

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